カナエール2015で体験し感じたこと

2015年からはじめてカナエールのエンパワに参加した「ジャンボ」さんに体験記を執筆していただきました。
普段は世界を相手にグローバルに仕事をしているジャンボさん。
なぜ「カナエール」に参加したのか。また、カナエールを通じて感じたことについて語っていただきました。
 
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「自分に新しい価値観と人生観が生まれた。それは、自分の人生において久しぶりに感じる新しい感動体験だった。」
 
はじめにジャンボさんがカナエールに参加した理由について教えてください:
私は普通の会社員。人生50歳を過ぎ、私生活では子供達も大人なり、妻もライフワークを持ち、自分の会社人生も先が見える様になってきた。そんな中で、残りの自分の人生を考えた時、何か物足りなさを感じていた。そして、いろいろと考えた結果、何か今までの自分の経験や知識や人脈を活かせる活動をしたいと思う様になった。それで、インターネットや本を調べたり、友人と話している中で、社会貢献活動に興味が出てきた。
また、もともと学生時代は教師になりたいという思いもあったので、子供達とかかわれそうなB4Sに興味を持ち、代表の林恵子氏の著書「できるかも」を読んでさらにその活動内容に共感。最後にカナエールの説明会で会った事務局の人達にも非常に良い印象を持ったので、カナエールとSelf Leader Ship Program(以下SELP)への参加をその場で決めた。
後から考えると何かの縁があったとしか思えない。
 
次に、カナエールを通じて感じたことについてよろしければ教えて下さい:
カナエールの活動で自分の価値観と人生観を変えた3つの体験談を話します。
1つ目は、児童養護の現状に関して、今までの自分が何もしらなかったことを認識した体験。
2つ目は、ボランティア活動を通して子供達と接し、その間の子供達のすごい成長をじかに感じた体験。
3つ目は、ボランティア活動というものを実際にやってみて体験したこと。です。
 
では、1つ目の児童養護の現状に関して、今までの自分がなにも知らなかったことを認識した体験について。
この平和で恵まれた日本に、主な理由が親の虐待で児童養護施設に暮らしている子供達が、全国で約3万人もいる事を初めて知った。現行児童養護法ではその子供達への国からの支援が18歳で打ち切られ、進学や就職はもちろんのこと下手をすると普通の生活もかなり努力しないと難しい。実際に、B4Sのカナエールの活動中に、子供達とじかに接したり、児童養護施設を訪問し、その雰囲気や施設の先生方やほかの子供達と会ったりした出来事が、そういう一連の事に関して、今まで特に関心がなく、何も知らなかったということを自分に認識させ、それらの事に関心を持つ様になった。
 
次に2つ目の、ボランティア活動を通して、その間の子供達のすごい成長をじかに感じた体験について。
カナエールのゴールは、「夢スピーチ」である。それは、今まで大勢の人前でスピーチをしたことのない子供達が、初めて出会う3人の大人のボランティア達と、原稿を書きスピーチの練習をしていく過程そのものであった。また、自分の担当の子供だけでなく、何回かある合同練習でほかのチームの子供達と接して見ていて、その子供達の成長は驚きと感動の体験であった。
具体的には、初めはその大人達とどう話したらいいかわからない、原稿をどう書いてよいかわからない状態だった子供達が、いやいやながらも大人達に、煽てられたり、ちょっと注意されたり、褒められたりしながら、何度何度も原稿を書き直しスピーチの練習をしていくうちに、自然に子供達が自分からいろいろなアイデアが出てくるようになり、子供同士も連絡を取り励ましあいながら、楽しんで活動をするように変わっていった。そして、最後に大勢の観客の前でスピーチをした後の、子供達のすがすがしく自信に満ちた満足した顔つきは、120日前の子供達とは明らかに違っていた。「初めて出会った大人達に子供なりに気を使う社会経験。」「やるべきことをやり遂げた充実感。」「大勢にお前の人の前で自分の考えをしゃべる勇気。」 その体験が彼らの顔つきを内面から変えていったのだろう。
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【写真】本番直前のリハーサルに臨む「ジャンボ」さんと同じチームのエンパワたち
 
最後に、3つ目のボランティア活動というものを実際にやってみて体験したことについて。
NPOつまりボランティア活動は、全員が善意で参加している。「子供達にスピーチという成果物を達成させ、その後学校を卒業するまでの資金援助や精神的援助を行う。」というカナエールのミッションは、全員で共有出来ていると思うが、その方法。かかわり方の深さへの考え。アサーションなどのかかわり方のスキルの知識の有無。などには、個々でかなりの温度差があり、カナエールの活動中に関係者間に葛藤が生じることも有る。
まあ、それが普通であるとは思うが。でも、善意で参加しているメンバーに対しては上下関係があるわけでないので、お互い相手の気持ちになって妥協点を見つけることが必要になる。しかし、それは「言うは易し行うは難し。」である。つまり、いかに短い時間で関係者の価値観や考え方を理解するコミュニケーション力が大切か。ということを体験した。
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【写真】チームで掲げた目標「一致団結!」
このようなカナエールでの体験は、私自身も大きく成長させてくれた。カナエールはすごく魅力あるプログラムである。他の方々にもぜひ体験することを心からお勧めします。