「一生孤独で過ごすつもりだった」-ボランティア代表を経験して変わったこと-

今年の6月25日、四谷区民ホールでカナエール2016東京を開催しました。
カナエルンジャーのスピーチが終わり、コンテストの終盤に差し掛かった頃、ボランティア代表として自分の想いを会場の皆様にお話しさせていただきました。

「最後にみなさんへメッセージがあります。 生まれの不平等は誰にでもあります。」
「実際、僕がそうでした。 高校の頃、母親が失踪し、借金で進学に苦労した過去があります。」

このフレーズ、覚えていますか?
カナエールの120日間、そして東京ボランティアを経て私自身がどう変わっていったのか、ブログに書かせていただきました。
 
一生孤独で過ごすつもりだった。
高校2年生(当時17歳)の秋、母親が失踪しました。
期末テストの最中、数日間かけて探し回りましたが、見つけることはできませんでした。
それからの日々は、昨日まで当たり前にあった日常がめまぐるしく変化していきました。
それは今でも鮮明に覚えています。
味わったことのない失望感。これからどうするべきかという不安。
「もう誰にも頼れない。自立しないと。一人で生きていけるようにしないと。気持ちを強くもたないと。」
あの頃を振り返ると、とても漠然とした決心だなぁと思います。
でもその頃の決心から、心のどこかにある孤独感と過ごすようになりました。
 
カナエールとの出会い。心から信頼できる仲間と出会えた。
カナエールのボランティアに参加することになったのは偶然でした。
社会人2年目になった頃、会社の取引先の方からのお誘いです。
「今週末に2015年度カナエールのクリエイター担当の打ち上げがあるんですが来ませんか?」
あまりに唐突なお誘いでしたが、以前から2回ほどカナエール横浜を観たことがあり、ボランティアに興味があったため参加をしました。
 
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いざ参加してみると、そこには裏表のなく接してくれる大人たち。
初対面だったこともあり、「大丈夫かな?」と思う気持ちと少しの胡散臭さは感じましたが、
自分が作った映像のことをあまりにも楽しく話すボランティアの方々がとにかく暖かかったです。
「この人たちは何だか安心できる。」
なんとなく感じた安心感にホッとし、その時少しだけ孤独感から抜け出すことができました。
 
私はこの打ち上げの場で、2016年度カナエールのボランティアとして参加することを決意し、現在に至ります。
「もしお誘いがなかったら」と考えると、この偶然の連続に感謝の気持ちでいっぱいです。
その時出会ったみんなは、今では心から信頼できる仲間になりました。
 
社会全体を「家族」として考える。

「自分だけでどうにもならないことは、みんな で補っていけばいい。」
「エンパワもいるし、会場のお客さんもいる。 社会みんなで助け合っていけばいいと思っています。」

このフレーズは私がスピーチでお話ししたことです。
そして、ずっと孤独感と過ごしてきた自分がカナエールに参加して気がついたことです。
 
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私はカナエールの120日間を「家族づくり」だと思っています。
社会的養護を受けている子どもたちは、18歳になったら自立して生きていかなければいけません。
しかしながら、誰の力も借りずに生きていくことはできません。
だから「寄り添ってあげる」大人の存在が必要です。
それは、家族が何のスキルも必要なく一緒に生活をしているように、
「見守っててくれる大人がいるんだ」ということが伝わればいいと思っています。
 
子どもたちのために、もっとたくさんの大人の力が必要です。
 
2017年度のボランティア一緒にやってみませんか?
7年目を迎えるカナエール。来年もスピーチコンテストを6月に東京、7月に横浜、福岡で開催いたします。現在、コンテストに出場する若者たちをサポートする社会人ボランティアを募集しています。
説明会を下記日程で実施します。昨年度のボランティア経験者も参加しますので、活動についての感想なども直接ご質問いただけます。たくさんの方のご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。
 
(レポート:実行委員 ダル)