【カナエール2017】カナエルンジャーからの手紙

カナエールでは現在ボランティアの参加者を募集しています。
「ボランティアに興味があるけど、仕事や家のことが忙しくて迷惑をかけたらどうしよう…」
と考えている方もいるのではないでしょうか?
カナエールのボランティアの中心は30代の方々です。
(昨年記事「エンパワってどんな人が参加しているの?」:http://www.canayell.jp/?p=2410)
私もボランティアに参加するかどうか悩んでいるときは
「自分なんかで役に立てるかどうか」本当に不安に感じていました。
でも、今となって思うのは、大人と同じくらい、カナエルンジャーの子供たちも
勇気を振り絞ってカナエールのプログラムに参加しているということです。
私がカナエールのボランティアに参加して
よかったと思ったことの1つが「カナエルンジャーの成長や変化」を
彼らの近くで見れたことでした。
今日は、カナエールでスピーチを披露した後のカナエルンジャーの手紙を紹介します。
大人たちだけでなくカナエルンジャー自身も成長を感じた120日間だったのではないでしょうか。

私達を応援してくれている方々へ
私は4才の時から施設で暮らしていました。
だから自分があきらかに他の子とは環境が違うことは小さいながらに気づいていて、自分のことは‶普通の子じゃないんだ〝って思っていました。これまでずっと 大事な人にも友達にも本当の自分のことを隠してきました。自分の家族は仲の良いフリして嘘ついてきたし、施設にいる時も職員さんと相談したりとかあんまりベッタリするタイプではなかったので自分の本当のことをきいてもらうことがあまりありませんでした。
だから進路のこととか自分の思っていることを話すのは正直苦手でした。そんな時職員さんに進められたこのカナエールに参加して初めてエンパワさんと顔を会わせました。
最初はちょっとやだなって思ったことが2つありました。
1つ目はエンパワさんはみんなお金を払って、自分の時間を割いてまで参加してるって聞いてなんか申し訳ないなって思ったことです。あるエンパワさんは後々は難民支援とかもしたいって言っていて、私は自分でいうのもあれだけど、性格的に結構自立してる方だと思うし、施設にいるってだけで生活とかめちゃめちゃ困ってる!って訳じゃないからこんな私で申し訳ないなって思いました。
2つ目は自分のことを話すことです。今まで自分のことを話す機会が無かった私にエンパワさんは色々きいてきてくれたけど、私はパーソナルスぺースがすごく狭いから多分めっちゃ必死に逃げててエンパワさんとの間に自分から壁つくってて、今思うと申し訳なかったなって思いました。
けど、カナエールに参加してすごく考え方が変わりました。
まずルンジャーです。はじめ、自分のことを隠していた私にとって、他のルンジャーのスピーチは正直衝撃的でした。
みんな施設にいたことを悲観的に捉えず、むしろ良い経験だったと思っているような堂々と話ししている姿と本当にびっくりしました。私はこのカナエールを通じて初めて自分と同じ施設の子以外の同世代の施設出身の人と出会いました。
そこでみんなと話したり、今どんなことやってるとか、自分の施設はどうだったとか色々話してなんかとても安心しました。自分がいた施設はそれなりにルールとかもたくさんあったけど、恵まれた環境だったんだなとか、私自身も施設で育って学べたこと沢山あったし施設ににいたから出会えた人もたくさんいるしむしろ良かったなって思えたのは本当にルンジャーのおかげだと思います。
カナエールが始まって120日間正直大変なことの方が多かったけど、やり終えた今はやれて良かったなって思うし、あの舞台に立てたのも沢山の人の支えがあったから私はあんなに大勢の人達の前で自分の夢を話せたし、前以上に自分の夢が明確になりました。他のみんなのスピーチをあの舞台で、きいたとき正直ここ最近で一番感動したし、鳥肌が立ちました。だから応援してくれる方々にも、私たちを「施設出身のかわいそうな子」という目で見るのではなくて、施設で育って大勢の人にかこまれて育って、他の子とは違う経験をしているからこそ、心の強さが、優しさがみんなにはあることをもっともっと知ってもらいたいです。こうやって私が思えるようになったのは、施設の職員さんをはじめ、エンパワさん事務局の方々、私達を陰ながら応援してくれた方々のおかげだと思います。
そして私が今こんなに支えられている分、いつか私も支える側として、カナエールや未来の施設出身の子どもたちが夢を自信をもって追いかけられるような環境を作る側としてお手伝いができたら良いなって思います。
その時がくるまで私自身これから先自分の夢を全力で追いかけ、未来の子どもたちに胸を張って「私は夢を叶えたんだよ」って言えるように頑張り続けたいです。
最後に
私が夢を追いかけるチャンスを下さった皆様
本当にありがとうございました。


 
普段なかなかできない体験ができるカナエールのボランティア。

もし興味があったら、まずはカナエールボランティア説明会に参加してみてください。
12月と1月に、東京と横浜で7回の説明会を開催します。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。
ご参加をお待ちしています!

【カナエール2017】始動!

2016年10月、カナエール2017の実行委員の各チームメンバーが決定し、各チーム毎にキックオフを開催しました。
7年目となるカナエール2017。
今まで以上に、多くのご支援をいただけるよう実行員一同、気合いを入れて活動を開始しております。
そして、11月1日より、カナエールボランティアの募集を開始しました!子どもたちの夢を応援し、スピーチコンテストまで一緒に駆け抜けるボランティアを募集しています。
  • カナエールボランティアってどんな役目があるのかな?
  • 児童養護なんて全然知らないけど大丈夫か?
  • 動画を作成する役割があるらしいぞ、できるかな?
  • やりがいのあるボランティアをやってみたい!
って思っている方、カナエールボランティア説明会に参加してみてください。
12月と1月に、東京と横浜で7回の説明会を開催します。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。
ご参加をお待ちしています!
(実行委員:ゆき)

【カナエール2017】ボランティア募集が始まりました!

一緒に若者の夢を応援しませんか。
児童養護施設や里親家庭からの進学を志す若者たちのスピーチコンテストを、 2017年度も東京・横浜・福岡で開催します。コンテストまでの120日間、若者たちとチームを組み、原稿作りやスピーチトレーニング、紹介映像作りなどを通して若者をサポートするボランティアを募集します。
説明会を下記日程で開催いたします。昨年度のボランティア経験者も参加しますので、活動についての感想なども直接ご質問いただけます。たくさんの方のご参加をお待ちしています。
12月4日(日) 13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水) 19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
本日より説明会への受付開始しました。くわしくはボランティア募集ページをご覧ください。
http://www.canayell.jp/support/empowerment/

カナエールを飛び立つ君へ ~カナエール2016エンパワからのメッセージ~

今年で6年目の開催となったカナエール夢スピーチコンテスト。夢を語った24人の若者たちだけでなく、彼らを支えたエンパワ(社会人ボランティア)の大人たちも、それぞれ特別な思いを持ってプログラムに参加していました。横浜のコンテストに出場したカナエルンジャーピンク“ジェイ”を支えた”かわっぺ”もその一人です。エンパワとして彼に伴走した120日間のレポートです。
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駆け抜けてきたんだな、と気づきました。これまでの120日間、脇目も振らずに必死で前ばかり見て走っていました。
確か、去年の12月でした。仕事上がりにパソナのビルで、カナエールの説明会に参加しました。大手町の駅が同じ駅とは思えないほど広くて迷子になりながら、かろうじて目的地に到着したことを覚えています。
思い返せばその半年前、知り合いに教えてもらって訪れたカナエール横浜会場で。最初から最後まで泣き通しで、ハンカチが手放せませんでした。ルンジャーひとりひとりが、いろんな苦しみや辛さを乗り越えて、未来への希望を語る姿に、感動しっぱなしでした。もっと近くで、同じ目線で、彼らにエールを送りたい。そう強く思ったのです。
あの日は、不安と期待が心の中でせめぎ合っていました。わたしに務まるだろうかという不安と、なんとしてでもカナエールでエンパワをやりたいという期待。知らない人だらけの説明会会場で、わたしはドキドキしていました。
2月のエンパワのオリエンテーション、そしてカナエルンジャーとの待望の顔合わせ。いよいよカナエール活動が始まるというとき、それなのにどんどん不安が募っていくのでした。
3月の合宿。どんな話をしようかな、どんな話をしてくれるかなと考えを巡らせながら、前の晩にふと思い至って爪をチームカラーに塗りました。
「緊張して眠れなかった」とレッドブルを飲む君に、まるで遠足前の小学生みたいだと笑い合った記憶があります。
あの日、いろんな話をしました。君の夢の奥にある、強い思いを知りました。わたしが18のとき、こんな風に強く一つの道を信じられただろうかと、目の前で淡々と語る君を素直に尊敬しました。ぽつりぽつり、大人たちも心に秘めた夢を口にし合いました。
解散前、チームのみんなで手帳を見ながら活動の予定を立てました。決めなくちゃいけないこと、やらなくちゃいけないことがたくさんある。いよいよ始まるんだなと、再び胸が高鳴りました。
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それからは、あっという間でした。
君が育った思い出の場所を巡って、君の夢の一歩先にいる先輩方のお話を傍らで聞いて。スピーチの原稿を推敲して、撮影した映像と夜中まで睨めっこ。気づいたら毎週のように顔を合わせていて、集まるとまず真っ先にみんなで腹ごしらえするのが暗黙の了解になっていました。
驚いたのは、コンテスト本番までもう1週間を切った頃。君はまだ原稿を一行も覚えていないような有様で、練習会場に現れました。いつもよりオーディエンスが多くて最初は少し照れながら、でも何度も何度も練習をしていました。どんどん声が出るようになって、目にも力がこもっているように感じました。
「全力で頑張ります!」
2月の顔合わせで、そう高らかに宣言した君の本気を、垣間見てはっとしました。
そして迎えたコンテスト本番。うまくいかないもどかしさや、焦り。そんな経験があったからこそ、こみ上げるものがありました。カナエルンジャーの見せた笑顔に、幸せを感じました。
「カナエールは麻薬」、あるエンパワメンバーの名言です。まさに麻薬のような高揚感と中毒性に、わたしたちはもう魅せられてしまったのかもしれません。
120日間が濃すぎたからこそ、終わった後の毎日は、なんだか少し味気ないような気がします。
でも、カナエールはこれで終わりではありません。コンテスト前ほど頻繁に顔を合わせることはもうないけれど、わたしたちはこれからも、君たちの側にいます。
たった120日前に初めて君の人生に登場したわたしたちが、どれだけの力になれるかは正直なところわかりません。
それでも、あのスピーチがゴールではなくて、君たちのスタートだったのだと気づいたら、その大事な瞬間に立ち会えたことがとても嬉しく、愛おしいのです。
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夢への新たな門出。カナエール2016解散式を開催しました。
スピーチコンテストから1か月。チーム活動も今日で終了です。1か月ぶりに会った君は、髪色が明るくなっていて、スピーチをやり遂げた安堵感からか、ちょっぴり大人びたような気がしました。
とめどなくお菓子を食べ続けるところは変わっていなくて、でもそれに懐かしさを覚える自分に気づいて、120日間の濃さを改めて感じるのでした。
表彰式では、ひとりひとり、カナエルンジャーの名前が呼ばれて、修了証とアルバムが手渡されました。アルバムには、コンテスト来場者のみなさんからかの愛の溢れるメッセージが詰まっています。わずか5分のスピーチなのに、そこからカナエルンジャーたちの夢への思いや、強さと脆さ、かけがえのない個性、いろんなものを受け取って、それに答えてくれていました。
壇上の君の後ろ姿にはいつかのような緊張感はもうなくて、なんだか感慨深いです。
合間に流れたスピーチコンテストのエンディングムービーには、たった120日前の君の姿が映し出されていて、どこか幼いその表情がとても対照的でした。
そして、コンテスト本番では舞台裏にいて聞けなかった、エンパワメンバー代表スピーチの映像を鑑賞しました。
今年、54人のエンパワメンバーがいろいろな思いを抱いて集まりました。若者たちの力になりたい、きっかけはそんな気持ちだったかもしれません。
でも。
いつもは照れくさいから言わないけれど、本当は、君たちの夢とそれに向かう姿に、たくさんの希望や幸せや勇気をもらっていました。
ありがとう、を代弁してくれた代表スピーチに、不覚にも泣きそうになりました。
隣で君が、こそばゆそうな顔で聞いているのを盗み見ながら。
東京ブルー エンパワメンバーのやまちゃんからは、彼が作詞作曲したオリジナル楽曲「叶える」の弾き語りのプレゼントがありました。
カナエールが終わったある日、やまちゃんに「降りてきた」歌詞に楽曲をつけたそうです。
その優しい、けれど力強い歌声を聞きながら、改めて今までの120日間をふりかえって感慨にふけってしまいました。
追い打ちをかけたのが、カナエルンジャーたちからの実行委員への感謝のシュプレヒコール
順番に紡がれる言葉のひとつひとつが、短くも濃いカナエールの思い出を蘇らせてくれました。
感極まって声を詰まらせる君や、涙をこらえきれなくなった実行委員の方々の姿に、わたしもこっそりもらい泣きしてしまいました。
今年もカナエールがあるということ、その後ろにはきっと、とても大きなエネルギーが必要だったのだと思います。奔走してくれたみなさんのありがたみを噛みしめました。
そんな解散式もあっという間に終了。
初めて君と出会ったあの日と同じように、扉の前にエンパワみんなで花道を作ってハイタッチでカナエルンジャーたちの門出を祝いました。「お疲れさま」「がんばってね」「またね」口々に別れの声を掛けながら、だけどとてもあっさりと。
君ならきっと、頑張れる。
そう信じているからこそ。
カナエール2016は解散式をもって終了しますが、この後も「グランドカナエール」として、イベントや面談を通じてカナエルンジャーをサポートしていきます
進学先によってまちまちではありますが、カナエルンジャー達が進学先を卒業するまで、短くても約2年、これから4年制に進学する場合は約4年半、カナエルンジャー達にとっては長い道のりです。
これからも引き続きご声援をよろしくお願いいたします。

Rhythmoonでカナエールが紹介されました

自分らしく生きる女性を応援するプラットフォームサイト”Rhythmoon”で、カナエール夢スピーチコンテストをご紹介いただきました!(ご報告が遅くなってしまいました)
6月に開催した東京のコンテストの様子と共に、児童養護施設から進学する若者たちの抱える困難と、彼らを支援するカナエールの仕組みを詳しくご紹介いただきました。
勇気をもって「夢」をスピーチ。児童養護施設からの進学を支える”カナエール”
http://www.rhythmoon.com/column/2016/09/post-1887.html
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▼カナエールからのお願い
◆カナエルンジャーに奨学金を届けるため、継続サポーターをあと50名ほど必要としております。
http://www.canayell.jp/support/donate/
◆2017年度、子どもに関わるボランティアに挑戦してみませんか!カナエルンジャーを支える社会人メンバーを募集しています。(募集開始は10月〜)
http://www.canayell.jp/support/empowerment/
◆ブリッジフォースマイルは児童養護施設の子どもの自立支援(進学支援・就労支援・住居支援・退所後支援など)を行なっている団体です。気軽にできる古本寄付から、ずっと見守る継続寄付まで、皆様の温かいご支援をお願いしております。
http://www.b4s.jp/action/contribution/
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希望格差のない社会へ~ カナエール2016夢スピーチコンテスト

本日、四谷区民ホールでカナエール2016東京を開催しました。ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
先週の横浜会場、そして今日の東京会場で合わせて18名の若者が夢をスピーチしました。
「進学することを簡単に選べなかった私だからこそできることがある。学びたいけれど学べない人たち、学ぶことの楽しささえ知らない人たち、そんな人たちを減らすために力を尽くしたい。」
「施設の子どもが夢を持つことはたくさんの壁があると思います。だけどあきらめず前へ歩めば夢は叶うことを証明してみせます。」
「この夢は私一人の夢ではないから。いままで支えてくれたすべての人への感謝を忘れず、夢への道を一歩ずつ歩んでいきたい。」
困難な環境に置かれても、夢を持つことはできる。カナエルンジャーたちは力強く宣言しました。彼らの姿は同じように進学を希望する施設の後輩たちを励まし、背中を押すものになるでしょう。彼らが全身全霊で伝えたことをしっかりと受け止めて、カナエールはこれからも前進してまいります。希望の連鎖を繋げ、そして施設の子どもたちが抱える希望格差の解消に向けて取り組んでまいります。今後とも、ご理解・ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
カナエールはスピーチコンテストで終わりではありません! カナエルンジャーを卒業まで資金(月々3万円の奨学金)と意欲(社会人ボランティアによる継続的な見守り)によってサポートしていきます。
【奨学金で応援】
出場者に一時金30万円と卒業まで月々3万円の奨学金を支給しています。(返済不要の給付型奨学金) 奨学金は支援者からの一口2,000円の継続寄付で支えられています。 これからも、より多くの若者に進学の機会を提供するために、支援の輪を広げていきたいと考えています。ぜひ継続サポートへのご協力をお願いいたします。 お申し込み方法はこちらをご覧ください。 (スマートフォンからもお手続きいただけます。)
http://www.canayell.jp/support/donate/
【福岡で応援】
来週末は福岡でスピーチコンテストが開催されます。6人のカナエルンジャーをぜひ会場で応援してください。
カナエール福岡
◆日時:2016年7月3日(日) 13:00 開演 ~ 17:00 終了
◆会場:北九州 黒崎ひびしんホール 大ホール (http://www.kurosaki-bunka.jp/)
チケットのお申し込みはコチラから
http://eventon.jp/3305/
【来年のカナエルンジャーを応援】
ぜひ“エンパワ”として来年のスピーチコンテストに出場するカナエルンジャーをサポートしてください。
チームで挑む120日! エンパワとは
http://www.canayell.jp/support/empowerment/
来年度もスピーチコンテストを東京・横浜で開催、エンパワの募集開始は11月頃を予定しています。後日当Webサイトでご案内いたします。

ご来場ありがとうございました ~カナエール2016夢スピーチコンテスト横浜~

今年初めて神奈川公会堂で開催したカナエール横浜。真夏のような暑さにもかかわらず、会場を埋め尽くすたくさんのお客様にご来場いただきました。この度はご来場誠にありがとうございました。
8名の出場者(カナエルンジャー)はみな堂々としたスピーチを披露しました。時折感情を高ぶらせながらも、仲間と120日間かけて作り上げたスピーチを、自信を持って、最後まで力強く語りました。
たくさんの人たちの前で決意を宣言すること、そしてたくさんの応援者の存在を感じることが、今後彼らが困難を乗り越え夢を叶えていくための力になると私たちは信じています。
次週は東京、来月は福岡でコンテストが開催されます。そして来年以降もカナエールは続いていきます。みなさまとまたどこかの会場でお会いできること楽しみにしております。(そして、あぐぅのカフェでもお会いしましょう!)
本日の毎日新聞神奈川版朝刊で昨日のコンテストの模様を掲載いただきました。ぜひご覧ください。
カナエール夢スピーチコンテスト 養護施設の子ら進学へ夢を語る 横浜で /神奈川

「君の行方」

男の人がおごると言いだしたときは、「割り勘でいいよ」と言って、「いやいや、いいから」と返されても、もう一回「いいよ、出すから」と言うべきらしい。
「そうかなあ。若い頃は断固割り勘にしようとしたけれど、今思いかえればそんな押し問答をせずに、気持ちよくごちそうさまと言うべきだったのかもと反省してるけど」二十歳そこそこの自分を思い返して私が言うと、「俺はもう一回言ってほしいんです」と強く主張された。
 
我々は君と数カ月ぶりに会っていた。我々、つまり二年前にカナエールのスピーチコンテストでエンパワーだった大人たちは、今日はじめて学生でない君に会う。大人になった働く君に。
君とお酒をのみ、恋愛の話をする日がくるとは思わなかった。はじめて会ったとき、君は高校生で、制服を着て大きなマスクをしていた。人前で話すのだからマスクをとるようにと言った私に、君は不本意そうだった。
 
君は夢を叶えて美容師になった。あの日スピーチをした夢を叶えたわけだ。自分が望んだ職業についている人はきっとそんなには多くないわけで、それだけで君は誇っていい。とはいえ夢が叶ってめでたしめでたしというわけにもいかない。そこがスタート地点なのだから。
東京を離れ、新天地で一人暮らしをしながら仕事をする。「心配していたけれど、順調そうでよかったよ」君がトイレに立った隙に、私は我々のうちの一人に話しかける。
 
出会って間もない頃、君は優等生だった。少し冷めていて、こなせばいいと思い、あまり心を開いていないことに我々は気づいていた。君のそんな姿勢に我々はどうすればよいのだろうと悩みながらも、日々を重ねるうちに、君の負けず嫌いで、熱いところを知っていった。
 
あの頃はなんだかひどく焦っていた。スピーチコンテストまでの限られた時間の中で、今君の力にならなければ、今君に有益になるようなことをしなければと思っていた。過ぎ去ってからでは遅いのだと。過ぎ去ってしまった今となっては、もっとゆっくり君を見守ればよかったのに、もっと余裕をもって君と話せばよかったのにと思う。けれど我々も未熟で、いや我々こそ未熟で、君の言葉に何度もはっとさせられた。
 
スピーチの最終練習のとき、君は堰を切ったように話しはじめた。過去のこと、家族のこと、どうして美容師になりたいのか、スピーチを誰に聞いてほしいのか。コンテストは二日後だったけれど、我々はこのスピーチが既に十分に意味があるものになったことを確信した。君が何かに向き合った瞬間に立ち会えたあの日、我々は君との絆をはっきりと見たのだと思う。
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君は一歩一歩を踏みしめるように成長している。
仕事も順調で、職場での評価も高く、自信に満ちていた。順調なことは予想がついていた。美容師の専門学校の時、君が毎朝早く学校に行って自主練習をしていたことを我々は知っていた。君は決めたことは必ずやり遂げる。もしかしたら時間がかかるかもしれないけれど、君のその努力は必ずや花開くと我々は信じている。
今のところは順調のようだ。とはいえ、人生は雲行きが悪いときや、何をやってもうまくいかないときもある。君が停滞し、悩み苦しむとき、我々は大層なことはできないかもしれない。我々ができることと言えば、こうして君に会い話を聞き、そして日々の生活の中で君が引っ越した新たな土地に思いを馳せ、君のことを思うくらいだ。
 
君はかつてより血色もよくなりびっくりするくらいかっこよくなった。職場の先輩にマスクを外した方がいいと言われて、今はマスクをしていないのだと君は言った。以前は、マスクをすると安心したし、歯並びが気になっていたのだと。そんなこと全然気にならないよと私は言い、君がマスクを外して街を歩くようになったのだと我々はうれしかった。
 

【エンパワ日記】 夢の原点

チーム「横浜ブルー」のマネージャー“おじゃる”です。
前回3月に、少しずつ走り始めたチームについて書いてから(http://www.canayell.jp/yokohamablue/) 2ヶ月あまりが過ぎ、本番までいよいよあと2週間(ブログ公開時点であと6日)。フルマラソンでいうなら勝負どころ、35km過ぎまでやってきました。
気づけば、うららかな陽気にうとうとまどろむ季節から、少し動いただけでもじっとり汗ばむ季節へ。 チームもその空気の変化に呼応するかのように、何度も会って話をし、毎日のようにLINEでとりとめもないやりとりやスタンプの応酬を続けながら、だんだんと熱を帯びてきています。 時にスピーチ原稿のブラッシュアップの最中、言葉のやりとりが熱すぎることもありますが、それもこれも含め、すっかりチーム4人が日常生活で「いて当たり前」な存在になってきたような気がします。
でもここへ来て、緩やかな上り坂に、少し足が止まりつつあることも事実です。 それは「あなたの夢はどこから来たのですか?」という問いに対して。
横浜ブルーのカナエルンジャー「T2」。 料理人になるのが夢だと、オリエンテーションの2月には、熱く(時にはにかみながら)話していました。 その夢の原点ってなんだろう? 現時点で彼自身も私たちも何となくそこに強い思いがあることはわかっていながら、もどかしいかな、はっきりと言葉で説明できるものを今の時点で持ち合わせていません。 それはスピーチ本番でも、もしかしたら、夢が成就して料理人になっても、はっきり表現できないものなのかもしれません。
カナエールの活動の中では、時にエンパワから直接カナエルンジャーに問いかけてみたり、あるいは仕事人インタビューを通じて彼自身が大人に問いかけてみたり、様々な角度から「夢ってなんだろう?」をチームで考えてきました。
大人になり歳を重ねると、思い描いていたことのいくつかは、恐らくかなわないんだと思わされる経験に出くわします。 そしていつしか、そのことを「夢が現実に負けた」という一言でもって周囲や自分を納得させようとすることがあります。
仕事人インタビューで、その道のプロにお話を伺った際、そのうちの何人かが、インタビューの最後に「いやあ、この仕事を志した時の気持ちを思い出したよ、ありがとう」とコメントしてくれました。 そのなんとも言えない表情を見ながら、ホントは、夢って「現実に負ける」ものでも「あきらめる」ものでもなくて、ただ単に「見続けられるものかどうか」だけなんじゃないかと思いました。 そして、その道のプロが忘れていたというのは、走り続けてきた現実の中にずっと夢があるからではないかなと気づいたのです。
スピーチ本番の5分間では、夢への一直線な思いを、カナエルンジャーは一生懸命伝えようと頑張ると思います。 その短い時間で伝えようとする姿は、ともすると聞いている立場からは「特別なこと」に映るかもしれません。
でも、その夢は、日常生活でいろんなことを思い、時に悩み、笑い、泣き、という現実生活からの地続きで支えられているということ、だからこそ大きく根を張って強く強くキレイに咲かせられる夢だということ。私自身、そのことはT2とエンパワの二人(はたぼーとはるはる)と過ごしてきた中で感じたことでもありました。
何十時間と原稿に向き合って、溢れ出しそうな気持ちをひとつ残らず詰め込んでも、なお、語りきれない思いやこぼれ落ちる言葉があります。 そんな語られなかった言葉にも思いを馳せながら、スピーチコンテスト本番6/18(土)に、客席からカナエルンジャーの一言一言に耳を傾けてもらえたら、一緒に走ってきた身として、こんなに嬉しいことはありません。 もしかすると、カナエルンジャーにとっての「夢の原点」は、スピーチを終えてあなたからのあたたかい拍手をもらった瞬間になるのかもしれません。

はたぼー・T2・おじゃる

はたぼー・T2・おじゃる


You may say I’m a dreamer. But I’m not the only one.
(わたしのことを夢想家だと言うかもしれないね、でもわたし一人じゃないはず)

(横浜ブルーマネージャー:おじゃる)

毎日新聞Webサイトでカナエールが紹介されました!

毎日新聞Webサイトでカナエール夢スピーチコンテストをご紹介いただきました。
児童養護施設出身の若者が夢を語る チケット代は奨学金に
児童養護施設で暮らす若ものは18歳で施設を出て、自立して生きていかなくてはなりません。「カナエール」は児童養護施設を退所した後、専門学校や大学等へ進学する若ものを支援する奨学金支援プログラムです。児童養護施設を退所する若者の進学率は20%(全国平均75%)、進学後の中退率は30%(全国平均10%)。親や家族を頼れない中、アルバイトで学費や生活費を稼ぎながら、卒業まで仕事と勉強を両立することは難しく、施設からの進学の前例も少ないがゆえに、進学を選べない若者が多くいます。
カナエールは、夢や進学への思いを語るスピーチコンテストの出場を条件に、返済不要の奨学金を給付します。120日間、スピーチコンテストに向けて3人の社会人ボランティアとのチームで取り組むことで、進学してからの「意欲」と「資金」の両面をサポートします。2016年は東京・横浜・福岡の3会場でスピーチコンテストを開催します。
東京会場はお陰様で完売いたしました。横浜会場はまだチケットがございます。開催日迫っておりますので、お求めはお早めにどうぞ。
チケット代5,000円は出場者の奨学金に充てられます。ぜひお誘いあわせの上、会場へお越しください。客席に座るあなたの存在が、若者たちの夢を叶える力になります。
カナエール横浜 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com