カナエール福岡2015合宿に参加して

3月28日~29日の1泊2日でカナエール2015の合宿研修を行いました。カナエールは7月に開催するスピーチ大会がメインのイベントとして大きく取り上げられますが、実はこのスピーチ大会にいたるまでの準備活動こそ、隠れたもう一つのメインイベントなんです。
今回も、7月5日のスピーチ大会に挑戦する6人のカナエルンジャー(奨学生)と、その原稿作成をサポートする18人のエンパワメンバー(市民ボランティア)が合宿施設に一堂に集まり、2日間掛けてガッツりこれからの原稿作成に挑む下準備を行いました。初日は硬かったカナエルンジャー(奨学生)の顔つきも、2日目にはものすごく柔らかくなって沢山の笑顔や声が聞こえるようになり、関わるエンパワメンバー(市民ボランティア)も手探りでこれからどう活動を進めていくのかを夜遅くまで悩み話し合いながら、本当に一人ひとりが真剣に向き合い考えてくれた2日間でした。
実は正直なところ、昨年のスピーチ大会があまりに感動的だった為、今年はその期待に応えるカナエール福岡が開催できるのだろうかと不安に感じていました。
しかし、この合宿最終日のプレプレスピーチで、今回のカナエルンジャー(奨学生)の思うがままのスピーチを聴いて「ああ、今年も間違いなく素晴らしい心震えるスピーチ大会になるということが確信できました。正直、スピーチの時間配分も構成も、具体的さもまだまだのスピーチでした。でも、そこには確実に一人ひとりのカナエルンジャーの確かな夢(目標)への想いがありました。
人は話し上手なスピーチに感動するのではない、構成や配分が完璧なスピーチに心震えるのではない、そこに確かな想いがあり、情熱があり、心があるから魅了され心が動かされるのだということに気づかされました。
2015年7月5日、今年はこのカナエルンジャー(奨学生)がスピーチにのぞみます。
とみー ・・・・・ 今の夢(目標)は、子どもたちの目標になるような施設の職員に成ること
かえ ・・・・・・・ 今の夢(目標)は、人のぬくもりを伝えられる看護師になること
のんちゃん・・・ 今の夢(目標)は、子どもたちの笑顔をたくさんつくる施設の職員になること
りょうま ・・・・・ 今の夢(目標)は、心が温まる家をつくること
まーなん ・・・ 今の夢(目標)は、訪れる人を元気にして癒せる整体士になること
ゆうせい ・・・  今の夢(目標)は、子どもたちの気持ちを解ってあげられる施設の職員になること
このカナエルンジャー(奨学生)たちの今の夢(目標)が、これからの3ヶ月間でどんなスピーチに進化していくのか、皆さん、2015年のカナエール福岡スピーチ大会も、大いに期待して楽しみにお待ちください!!!
【カナエール福岡2015スピーチ大会】
日程 : 2015年7月5日(日)
時間 : 13:00 開演 ~ 16:00 終了(予定)
場所 : 都久志会館 ホール(福岡天神)
住所 : 福岡市中央区天神4丁目8-10
チケット : 近日発売開始予定(*HP上でご案内いたします)

卒業おめでとう! カナエルンジャーの卒業パーティを開きました!!

今年も卒業の季節がやってきました。カナエールで支援してきたカナエルンジャーたちも、大学・専門学校を卒業し社会人として歩み始めます。3月8日(日)、カナエルンジャーと社会人ボランティアが集まってお祝いのパーティを開きました。
今年卒業を迎えたのは8人のカナエルンジャーたちです。
(括弧内はスピーチコンテスト出場年度とチームカラー)
まい(2011ピンク)
つかさ(2011ブラック)
さち(2012レッド)
ゆう(2012ピンク)
ダニエル(2012グリーン)
ゆーき(2013レッド)
みぃ(2013イエロー)
こばゆみ(2013ピンク)
このうち学校の卒業式などで都合がつかなかった2人を除く6人のカナエルンジャーがパーティに参加しました。数年前にスピーチをした同じホールに、在学中のカナエルンジャーやボランティアを含めた70人ほどが集まりました。
パーティの司会を務めるのは2014年度カナエルンジャーグリーン(東京)の“りぃ”と、ボランティアのHCさんです。ゲームや歓談で楽しい時間を過ごしたあと、卒業生ひとりひとりから卒業の報告がありました。看護師、保育士、幼稚園の先生、児童養護施設の職員、商社や化粧品メーカーへの就職。それぞれの道で4月から社会人としての一歩を踏み出します。
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卒業生ひとりひとりに、担当のボランティアからお祝いの言葉が送られました。
この日集まったのは、過去のスピーチコンテストでエンパワメンバーとして卒業生をサポートしたボランティアたちです。なかにはカナエルンジャーと会うのはほぼスピーチコンテスト以来というメンバーも。カナエルンジャーとお互いに久しぶりの再会を楽しんでいるようでした。
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パーティの最後に、卒業生たちの思い出の写真やスピーチコンテストの映像を集めて作ったムービーが上映されました。ボランティアの“モトさん”の力作です。
この日のような卒業パーティの他にも、スピーチコンテストを終えたカナエルンジャーとボランティアとの交流イベントを定期的に開催しています。
スピーチコンテストを終え、進学を果たしても、カナエルンジャーたちにはまだ大変な進学後の生活が待っています。奨学金が支給されるとはいえ、それだけで学費と生活費をすべてまかなえるわけではなく、ほとんどの子は身内を頼ることもできません。アルバイトと学業の両立の困難さは施設退所者の中退率の高さに現れています。(施設退所者の大学・専門学校等の中退率:約30%、全国平均:約10%)
今回、8人ものカナエルンジャーの卒業を見届けられたことを本当にうれしく思います。
参加者のひとりが卒業生に贈った言葉です。「カナエルンジャーのみなさんは他の学生よりもたくさんの辛い思いや苦労をしてきたかもしれない。でもその経験はこれからの人生で財産になると思う。社会へ出たときに必ず役に立つ。人の痛みがわかること、困難にぶつかってもくじけないことの大切さをみなさんは人一倍知っている。自信を持ってこれからの人生を歩んでほしい。」
彼らをロールモデルとして、まだ施設で暮らす彼らの後輩たちが夢を叶える勇気を持てるようになることを願っています。カナエールはこれからも施設から進学を目指す若者たちを支援していきます。