【エンパワ日記】それぞれができることをしていく

「4人チームで駆け抜ける120日間、面白そう!いつか私もやってみたい!」
継続サポーターの友人に誘われ、カナエールスピーチコンテストに初めて行った時の感想です。決して安くはない夢チケット。スピーチというチーム作品にはどんな価値があるのか、わくわくしながらスピーチを聞きました。
チーム横浜グリーン・マネージャーのおちえです。去年からカナエール活動に参加しています。
まだ合宿を迎えていない今、チームのLINEで細々とやりとりをしています。今回、同じチームのカナエルンジャーは美容師を目指すなっさん。エンパワは心強いメンターのジャンボと、名前だけで楽しい気持ちになれる、クリエイターのるんるん。どんなチーム作品を皆さんへ提供できるか、とても楽しみです。
私がカナエール活動をしているのは『ハチドリのひとしずく』のように「私は、私にできることをしているだけ」。応援できる仕組みがあって、お金や顔の見える支援を必要としている子どもがいる。彼らを応援したい気持ちと活動に費やせる時間が、いまの私にはある。いま、私にできることをしていく。
去年、カナエルンジャーの一人から“カナエールがなければ進学を諦めていた”という言葉を聞きました。自分の夢を叶えるにはどう行動するか。進学の資金を得るためにどの手段を選ぶか。その選択肢の一つに、カナエールがあります。彼らも「自分にできることを挑戦している」のだと思います。
応援したい気持ちはあるけどカナエルンジャーと一緒に活動できないとしても、彼らの情熱を、こういう活動があることを、耳を傾けてくれる情熱的な友人へ伝えてください。情熱は伝わります。カナエルンジャーの情熱をスピーチコンテストに来場される方へしっかり伝えられるよう、私たちエンパワは彼らをサポートをしていきます。
特別な何かをしてあげられるわけではないけれど、一緒に考えることができる。スピーチコンテストが終わってからも、進学先を卒業するまでその後の活動で見守ることができる。この活動は皆さんが思っている以上に長く、カナエルンジャーと関わることができます。18歳前後の時、親でもなく先生でもなく、自分のことを考えてくれる第三の大人がいること。貴重な経験だと思います。
先日、なっさんの支援を担当している方とお会いしました。生活環境が変わってもブレることなく目標を持っているなっさんは、納得するまで『全力・全開・全身全霊』でカナエールに取り組むのではないかと思います。
私たちチームエンパワの役割のひとつは、頑張り屋のなっさんと一緒に肩の力をぬくこと。合宿はスピーチコンテストへ向けた強化合宿というよりも、思い出作りとしてスタートできたらいいなと心を躍らせつつ、合宿の日を待ちわびています。 横浜スピーチコンテストまで90日切りました。私にできることは、チーム活動を楽しむこと。なっさん、ジャンボ、るんるんと一緒のチームで良かったと思えるよう、全力で駆け抜けます。
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卒業おめでとう!11名のカナエルンジャーが卒業しました!☆カナエール卒業パーティ

カナエールでは、スピーチコンテストを終えた奨学生(カナエルンジャー)に、毎月の奨学金給付という資金面での支援と合わせて、社会人ボランティアが見守り支える意欲面でのサポートを行っています。毎年3月に行っている卒業パーティは、大学・専門学校を卒業して巣立っていくカナエルンジャーを祝う、カナエールの集大成ともいえるイベントで、今年は3月6日に開催されました。今年の卒業生は11名と、過去最多の人数になりました!
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当日は卒業カナエルンジャーを祝うべく、エンパワメンバー(スピーチコンテストまでカナエルンジャーをサポートした社会人ボランティア) や4月以降もがんばるカナエルンジャー達も参加し、総勢64名 のにぎやかなイベントになりました。
いよいよオープニング!今回の司会は、つーちゃん(2014東京レッド カナエルンジャー)とつづくん(エンパワメンバー)の「Wつーちゃんズ」です。初々しくちょっと照れた様子に、会場から温かい拍手が起こります。
まずは今年の卒業生11名の紹介から。
ゆうた(2011オレンジ)
カービィ(2013オレンジ)
すがちゃん(2014東京イエロー)
りぃ(2014東京グリーン)
アルト(2014東京パープル)
アッサー(2014東京ゴールド)
ももちゃん(2014横浜ホワイト)
りぃこ(2014横浜ピンク)
エマ(2014横浜ブルー)
さっつん(2014横浜パープル)
エリック(2014横浜ブラック)
※学校の卒業式などの都合により、パーティへの参加は7名でした。
続いて、カナエール実行委員長のゆってぃこと植村 百合香からの開会宣言です。
「卒業生のみなさん、おめでとうございます。今年は卒業生11名と過去最多となりました。特に2011年カナエール参加のゆうたは、初めての高校2年生のカナエール参加で、さらに大学進学したカナエルンジャーで、とても感慨深いです。
スペシャルゲストとして、カナエールをサポートいただいている横浜市のご関係者の方、フジテレビの木幡 美子さん、スペシャルアンバサダーの黒岩 禅さん においでいただきました。ありがとうございます。」
次は乾杯です。エンパワメンバーや実行委員として、ほぼ立ち上げのときから長くカナエールに関わってきた なべさん が乾杯の音頭をとってくれました。
「卒業生のみなさん、おめでとうございます。カナエールに関わっていて一番うれしいのは、こうやって3か月に1回のイベントにカナエルンジャーに会えること、そしてカナエルンジャーがたくましく、きれいに成長していくことを見守っていけることです。これからもがんばってください。」
続いての歓談タイムのあと、一区切りついたところで、参加した卒業生のカナエルンジャーからの報告と、その担当エンパワメンバーからの応援メッセージの時間となりました。
卒業カナエルンジャー全員から進路が決まったといううれしい報告が。学校の先生、保育士、建築士、公務員、進学など、進路はさまざまですが、それぞれにがんばってきた様子が伝わってきます。みんな希望に顔を輝かせて本当にまぶしいくらい!「 成績優秀賞をもらった」「1000人に1人の狭き門をくぐりぬけて採用を勝ち取った」という話をしてくれたカナエルンジャーも。
担当のエンパワメンバーは本当に感慨深そう。「カナエルンジャーから刺激を受けて自分も変わった」などのコメントもあり、カナエールは、カナエルンジャーとエンパワメンバーがお互いに成長していくプログラムなのだな、と感じさせられました。
レポートの最後にカナエルンジャー・エンパワメンバーのコメントを記載しています。ぜひご覧になってください。
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続いて、卒業生一人一人に、「応援状」の授与がありました。
普通はカナエールの「卒業証書」になるのでしょうが、「カナエールを卒業してもこれが終わりではなく、ずっと応援していくよ」というエンパワメンバーからの思いを込めて、「応援状」となりました。
「『応援状』
あなたの夢にみんなが心を打たれました。
これからも決して諦めることなく、夢の実現に向けて、素敵な人生を歩んでいってください。
私たちはあなたのことを応援し続けます。
よってここに、応援の意を表します。
エンパワメンバー 一同」
さらに、ゲスト参加のみなさまからの応援メッセージをいただきました。
フジテレビCSR推進室 木幡 美子さん
「会うたびにカナエルンジャーのみなさんが大人になっていく姿を見るのが楽しみです。みなさんの素晴らしいところは、あれだけの大舞台で夢を発信したことです。発信することによって初めて、多くの大人がみなさんをサポートしたいと思うようになりました。これから色々なことがあると思うけれど、社会に貢献する立場になってほしいです。これからもがんばってください。」
カナエールスペシャルアンバサダー 黒岩 禅さん
「児童養護施設出身者の離職率は高いと言われています。社会に出たら大変なこと・理不尽なこともあり、心のエネルギーを発揮しなければならない時もあります。そんなとき、この場のことを思い出してほしい。これだけ多くの大人の応援をもらえる21歳・22歳の人はそんなにいないはずです。何かあったら連絡すれば、これだけの大人が駆けつけてくれる。それを忘れないでほしいです。」
そして、現在シンガポール在住の、ブリッジ・フォー・スマイル代表 えりほこと林 恵子からの、ビデオメッセージがありました。
「卒業おめでとうございます。ここまで至る道は、簡単でない道のりだったことと思います。奨学金の金額としては月3万円という少額の支援だったけれど、多くの大人たちがあなたたちを応援してきたし、これからも応援しつづけたいと思っています。何かあったら頼ってほしい。応援しています!」
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最後に卒業カナエルンジャーのみんなの、これまでの映像を集めたムービーが流れました。作成したのは、スピーチコンテストの際にクリエーターを担当していたエンパワメンバーのモトPです。スピーチコンテストのときの懐かしい映像も多く、カナエルンジャーもエンパワメンバーも「なつかしい~」と言いながらで見入っていました。最後は少し涙ぐんでいるメンバーも。みんなで名残を惜しみつつ終了となりました。今回のイベントも、エンパワメンバーが中心になって企画・運営・準備を行いました。みなさん、お疲れさまでした!
(編集後記)
卒業するカナエルンジャー何人かと話をさせてもらいました。地元を離れて遠方で就職する子、初めての一人暮らしをする子など、これからの進路は様々ですが、みんな口にするのが新しい環境への不安ではなく、将来への希望だったことが印象に残っています。その表情はきらきらと輝いていて、本当に魅力的でした。みんなこれからも健康で生き生きと人生を過ごし、幸せになってほしいと祈らずにはいられません。私もずっと応援しています!
(エンパワメンバー はるはる)
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【卒業カナエルンジャーと担当エンパワメンバーのコメント】
ゆうた(2011年オレンジ)
「中高一貫校で非常勤講師として働くことに決まりました。まだまだ駆け出しですが、スキルをみがいていきたいです。」
担当エンパワメンバーからのメッセージ:
やみー「毎回ゆうたに会うたびに、旅行やボランティアなど精力的に楽しそうにがんばっていた姿に刺激を受け、私自身も今年大学に入りなおしました。これからもがんばってください。」
ナオ:「私はカナエールの立ち上げメンバーの一人なのですが、カナエールを巣立つみなさんが、後輩にとってあこがれの存在になってほしいと思っていました。みなさんのご活躍を応援しています。」
さっつん(2014横浜パープル)
「保育園で働くことが決まりました。がんばります!」
担当エンパワメンバーからのメッセージ:
たられ「小学生高学年のころからの夢がかなって本当によかった。」
あげさん「今日久しぶりに会ったけれど、本当にしっかりとやってきたことが伝わってうれしい。私自身もカナエールがきっかけになって、CSRの部署に異動しました。これからもお互いに頑張りましょう。」
すがちゃん(2014東京イエロー)
「今後は研究科にすすみ、来年は2級建築士を目指します。」成績優秀で卒業し、表彰されたそうです!卒業証書と成績優秀賞の賞状を見せてくれました。
担当エンパワメンバーからのメッセージ:
みっつー「いつも心配性のすがちゃんだけど、成績優秀で卒業してくれてうれしい。これから色々なことがあっても、無事乗り越えてくれると思う。これからもがんばって。」
ももちゃん(2014横浜ホワイト)
「4月からは長野県の保育園で働きます。」
担当エンパワメンバーからのメッセージ:
なっち「スピーチコンテストは大変だったけれど、最後までやりきって本当に楽しかった。カナエールがももちゃんにとっての1つの大きな礎になってほしいし、私にとっても大きな経験になった。これからもがんばってください。」
エマ(2014横浜ブルー)
「4月からはリフォームの会社で働き、2級建築士の取得→1級建築士取得を目指します。就職活動では1,100名の候補者がいたそうですが、採用を勝ち取りました。20歳で採用されるのは会社としても最年少記録で、会社からの期待も大きいのですが、負けないようにがんばりたい。かっこつけたがりの自分ですが、カナエール事務局のみなさん、エンパワメンバー、カナエルンジャー仲間など、色々な人に支えてもらって、かっこつけていられたと思っています。今後もみなさんに支えられてきたことをかみしめながら、がんばっていきたい。」
担当エンパワメンバーからのメッセージ:
とんとん「エマとは本当に久しぶりに会えてうれしい。私自身もカナエールで学びがあり、家族との過ごし方なども変わったと思う。今後エマと一緒にお酒を飲めるのが楽しみ。」
モトP「エマとは月1回会っていたけれど、どんどん成長していくのが見られてうれしかった。今後はかっこつけすぎず、肩ひじ張らずにがんばってほしい。何かあったら連絡してください。」
また、ブリッジ・フォー・スマイルの別プログラム「巣立ちセミナー」でエマと出会い、サポートをしてきた オッチョ も駆けつけてくれ、メッセージをくれました。
「2年半前の横浜の巣立ちセミナーで出会い、自立ナビというプログラムで月1回エマと会っていた。『歯が痛い』『疲れた』などの、謎のメールをもらって困惑したことも今ではいい思い出。よく一緒に横浜を歩いた。これからエマが配属されるのが女性ばかりの部署だとのことだが、僕はそのあたりは得意なので、何かあったら相談してください。」
りぃ(2014年東京グリーン)
「市役所に勤めることになった。大学進学を目指していましたが、今後は公務員として勤めながら、通信制の大学卒業を目指します。」
担当エンパワメンバーからのメッセージ:
HC「りぃと出会うことで、逆に気づきとエネルギーをもらった。これからもがんばってください。」
なべさん「この場にいるカナエルンジャーのみなさん、がんばって卒業してください。元気で健康で幸せになる姿をみんなが応援しています。がんばって卒業して、次の人生を切り開いてください。」
エリック(2014横浜ブラック)
「障害児の施設で働くことになりました。そこで経験を積んで、将来は自分の夢である児童養護施設で働きたい。支えられる立場から支える立場になりますが、がんばります。」
担当エンパワメンバーからのメッセージ:
たか「エリックのコメントからも、成長していることが感じられて、本当にうれしい。」
今年も開催します!カナエール夢スピーチコンテスト2016
お蔭さまでカナエールは今年で6年目を迎えます。児童養護施設や里親家庭など社会的養護の下で育ち、大学・専門学校等への進学を志す若者たちによるスピーチコンテストを毎年開催。今年は東京・横浜・福岡で24名の若者たち(カナエルンジャー)が登壇します。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
チケットは4月1日より発売! チケット代は出場する若者たちの奨学金に充てられます。ぜひ会場で、若者たちの声に耳を傾けてください。 お求め方法は後日当Webサイト(http://www.canayell.jp/contest/)でご案内いたします。
 

【エンパワ日記】 歩幅を確かめながら、一歩一歩もう一歩

チーム「横浜ブルー」のマネージャー“おじゃる”です。
1ヶ月前のオリエンテーション、会場がなんとも言えない熱気と緊張感に包まれる中、カナエルンジャーの高校生たちと初顔を合わせ、ほどなくチーム分けも発表されて、スピーチ大会へ向けた120日間のスタートが切られました。(チーム発表時のドキドキって何だか懐かしい感覚だなあと後になってからふと思ったのですが、これって、学年が変わるときのクラス分けの感じですね。いつの間にやら忘れていたことを、カナエールがウン十年ぶりに思い出させてくれました)
今年の横浜ブルーのカナエルンジャーは「T2」です。料理人になるのが夢で、イタリアンレストランでアルバイトをしながら将来の自分を思い描いているそうです。オリエンテーションで、早速その夢を、熱く(時に)はにかみながら話す姿を見ながら、彼の思いを会場の多くの人に伝えるには、自分たちエンパワがどう引き出してあげられるかがやっぱり重要だな、と改めて背筋が伸びる思いを持ちました。
とはいえ、オリエンテーションから合宿までのこの時期は、チームの活動と言っても、LINEのチャット機能を使いながら、「今日何があった?何を食べた?朝は何度寝した?」というような日常のよもやま話や、あるいは好きな食べ物・芸能人の話などのやりとりを続け、まずはお互いのことを知ろうというような、想像していたよりも緩やかな感じのものばかりです。
例えば、先日の東京マラソンにメンター“はたぼー”が出場した時は、ゼッケン番号から、今どのあたりを走っているかWebで検索し、クリエイター“はるはる”と3人でわいわいがやがや実況しながら応援したりして(みんな在宅派なのでそれぞれの家からですが…)、まだ「スピーチコンテストで話すぞ!」と、がむしゃらに頑張っている感じではないようにも思います。
ちょうどスピーチコンテストまでの120日を、初マラソンにおける42.195kmだとすると、まだ10km地点あたり、周りの風景を見てうららかな春の訪れを感じながら、4人でいつもの心地よいジョギングのペースで走っているという感じでしょうか。
先日施設におうかがいして職員さんにお話をうかがい、また今月末の合宿で一緒に過ごすなかで、そろそろ自分たちにとっての未知の距離に入っていこうとしていますが、ここまでのコミュニケーションを通じて、不思議と私自身不安はありません。なんとなく、このチームなら、横風を受けても少しばかりの登り坂でも、ぶれずにお互いのペースを尊重しながら走りきれるような気がするのです。でも、そのためには決して一人も欠けないこと、一人だけ大股で走ったり急に止まったりしないこと。
まだ動き出したばかり。次はどんな風景が待っているのだろうと楽しみにしながら、そしてスピーチコンテストで皆さんに笑顔をお見せできるよう、一歩ずつゆっくり歩調を合わせながら前に進んでいけたらと思います。

ニックネーム:おじゃる(チーム名:横浜ブルー)

▼コンテストのチケット販売は4月1日(金)よりスタートします!お楽しみに。

【エンパワ日記】社会へのスタート地点に チームで共に立つ

チーム「東京レッド」のマネージャー“むったさん”です。まだ寒い2月下旬、水道橋のオリエンテーションで、みんな〈わくわく、どきどき〉でカナエルンジャーを迎えました。チーム発表を待っていると、いちばん先に「東京レッド」が呼ばれました。
当日は、カナエルンジャーが怪我で参加できないとのこと。カナエールが初めてのエンパワメンバー3人は、「早く会いたいね」と話しながら、この日は、カナエルンジャーを招待するLINEグループを作ったり、意思疎通を図ったりしました。
つい先日、カナエルンジャーとの初顔合わせの日程が決まりましたので、楽しみにしているところです。
合宿前の今は、各チームはチーム内の共有や施設へのご挨拶など、ウォーミングアップのような時期かもしれません。そして、6月に「4人で笑顔で舞台に立つ」ことを目標に思い描いていることでしょう。
私もそうです。でも先日、ゴールはもちろん大事だけど、そこに到達するまでのプロセスがより大切なのだと思い至りました。それは、初めて施設を訪問した3月初旬、現場に足を運ぶことで改めて得られた新鮮な思いでした。緑豊かな木立のなかに佇む宿舎、そこで織りなされるさまざまな物語—子供たちの姿を想像しながら、彼らが直面する「18歳自立」の問題が現実のものとして迫ってきたように感じたのです。
カナエルンジャーの自己紹介文を読んで、感動したチームの仲間たち。3人でカナエルンジャーを支えるという「チーム」の発想は、素晴らしいと思います。4人とも、意味あって出会った仲間だと思えました。
一人では大変なことも、ちょっとだけ人生の先を歩くお兄さん、お姉さんだったり、おじさん、おばさんだったりが話し相手になったり、隣にいたりするだけでいい、それで「世の中もまんざら捨てたものではない」と、思ってもらえたら嬉しい。まもなく始まる春の合宿をスタート地点に、チーム活動がいよいよ始まります!

ニックネーム:むったさん(チーム名:東京レッド)

【虐待件数×189通報問題】

-児童虐待通告件数
今日は、日本の児童虐待にまつわるお話をご紹介します。
2014年度は約8.9万件と児童虐待の通告件数が厚生労働省の調査により、2015年の年末に判明しました。

過去最高の8.9万件。

過去最高の8.9万件。


この数字は年々増えており、児童虐待の問題はますます深刻化していることが明らかです。
通告されて助け出されるケースも深刻化しており、助け出された時にすでに失明しているなど、回復できない傷を負った子どもが年々増えています。
 
-わたしたちが、できること
「虐待」ってどこから…?を知ること。
▼児童虐待は、かんたんに言うと、以下の4 種類に分類されます。

  1. 身体的虐待:殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせるなど。
  2. 性的虐待 :子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又はさわらせるなど。
  3. ネグレクト:家に閉じ込める、食事を与えない、重い病気になっても病院に連れて行かないなど。
  4. 心理的虐待:言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱いなど。

 
虐待に大きいも小さいもありません。
「あれ?」と思った時が、小さな命を救うタイミングです。
 
-「189問題」~長すぎる音声ガイダンス~
児童相談所 全国共通ダイヤル 189 をご存知でしょうか。
虐待かも…と思った時に連絡すると児童相談所に相談できる電話番号です。
最近では児童虐待通報電話の「189」に、ある問題点が浮き彫りになりました。
それは、1~2分の音声ガイダンスを待たないと通報できないこと。

毎日新聞2016年3月4日 朝刊より。

毎日新聞2016年3月4日 朝刊より。


 
長い音声ガイダンスを理由に通報した人の75%近くの人が途中で通話を切ってしまっていることが問題となり、届けるべき声が届かない事態が発生。
年々、虐待通報件数の数値が上がっていることを冒頭で述べましたが、ほとんどの通報が、通話に入る前に切られてしまっている悲しい現状があります。
 
-「あれ、虐待かな?」とおもったら…
児童相談所 共通ダイヤル「189」

児童相談所 共通ダイヤル「189」


189問題だけではなく、児童福祉を取り巻く課題はたくさんあります。
昨今では、少しずつですが、改善・整備されているように感じます。
もし、近くで「あれ、虐待かな?」という場面に遭遇したら、児童相談所 全国共通ダイヤル「189」にお電話を。
少し長いですが、1~2分の音声ガイダンスをどうか待ってください。
通報が受理されると、自治体によって異なりますが24~48時間以内に安否確認をすることになっています。
少しでも、おかしいな?と感じたら、勇気をだして「189」へ連絡を。
あなたの電話1つで救える「命」があります。

【レポート:実行委員ゆきまる】

【スピーチに輝きを!】映像担当 クリエイター勉強会を開催

3/5土曜日の午後、各チームのクリエイターが集まって、勉強会を開催しました。
カナエルンジャーをサポートする3人のエンパワのうちの1人であるクリエイターは、スピーチコンテストまでのチームの活動の様子、カナエルンジャーの日常、関係者やカナエルンジャーが目指す職業の人へのインタビューなどを撮影し、カナエルンジャーを紹介する3分間の動画を作成します。
動画を撮り、パソコンで動画を編集し、動画ファイルに書き出す。半分以上のクリエイターが、これらの作業を初めて行います。そのために、過去にクリエイターを経験したサポーターや、映像制作のプロのサポーターが主催する勉強会を開催しています。
第1回目の今回は、動画の撮影方法、カメラの構え方やアングルによる効果、編集ソフトウェアの使い方、動画ファイルの保存・管理の仕方などの基本的なところを勉強しました。

カメラのアングルと効果の説明風景

カメラのアングルと効果の説明風景


講義が終わると、3つのグループに分かれて実際に撮影、編集してファイルに書き出し、それを上映するところまでのワークショップを行いました。
クリエイター経験のあるサポーターからノウハウの伝授

クリエイター経験のあるサポーターからノウハウの伝授


ビデオカメラの使い方のレクチャー

ビデオカメラの使い方のレクチャー


3つのグループとも、初めてながら、個性にあふれた面白い動画を作成できました。クリエイターたちは、少し自信が付いて、「早く自分だけで何かを作ってみたい」と張り切っていました。
各グループの作品を上映して皆で鑑賞中

各グループの作品を上映して皆で鑑賞中


勉強会は動画の完成まで、定期的に開催し、より凝った編集方法の相談や、編集結果のレビューを繰り返し、本番で見てもらえる動画の完成を目指します。
クリエイターは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社様からカナエールに寄贈いただいたビデオカメラを使用しています。2014年度、2015年度はお貸し出しくださっており、継続的にご支援くださっています。
寄贈いただいたビデオカメラ

寄贈いただいたビデオカメラ


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CSRご担当 早坂様より「2015年度のカナエール東京会場に足を運びました。奨学生カナエルンジャーの皆さんが真剣に夢を語る姿。若くして困難な状況にありながらも、前を向いて未来を描く姿に感動しました。これからも応援したいと思います。」
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また、動画編集ソフトウェアは、アドビ システムズ 様から提供いただいているライセンスを使用しています。
キヤノンマーケティングジャパンの担当者様

キヤノンマーケティングジャパンの担当者様 (左よりCSR企画推進部 早坂様、石川様、濱野様)


カナエルンジャーのスピーチ前に流れるカナエルンジャーの紹介VTRを楽しみにしていてください。

【レポート:実行委員 ゆき】