いま、わたしにできること

あの時から、5年。
カナエールとの出会いは、継続サポーターをしている友人からスピーチコンテストへ誘われたことがきっかけでした。
学生時代に遊戯ボランティアで児童養護施設の子どもと関わっていてたわたしは、18歳の子たちがどんな夢を持っているのか興味があり、見に行くことにしました。
カナエールの仕組みもよくわからず出向き、会場で理解したことは、カナエルンジャー1人に3人の大人がチームを組んでコンテストに挑んだ、ということ。一緒に生活している人でもなく学校で会う人でもない、きっとスピーチコンテストに出るために初めて出会った4人が120日間、カナエルンジャーの夢について語る、スピーチという作品を作り上げること。
とっても面白そうだなと思いました。いつかわたしも「エンパワ」をやってみたいなと。
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ボランティアはじめてみようかな -前編「偶然と必然と」-


「カナエールのボランティアをやってみよう」
そう覚悟を決めるまで、私の場合には1年半の時間が必要でした。
そもそもカナエールを知ったきっかけは、ひとつの偶然でした。
一昨年の春先、飲み仲間”おもろい兄貴分たち”や、学生時代の同級生が、それぞれ別のタイミングで「今ボランティアで関わっているスピーチコンテストがあるんだけど、よかったら一度おいでよ」と誘ってくれたこと、そして、ちょうどその前後にいくつかのメディアでも取り上げられているのにも触れて、はじめて横浜の会場に足を向けることにしてみたのです。
うたぐり深い私は、正直言って「もしかしたら、こういう取組ってすごく胡散臭いかもしれないなあ」と半分思っていました。まあでも、信頼できる知り合いがやっているし、メディアにも出てるんだったら、まずは行ってみようかなと軽い気持ちで出かけたというのを覚えています。
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そして、コンテストを経て、翌日に自分がFacebookに書き留めた感想は、以下のようなものでした。
—–
(2014年7月7日)
なんというか、様々な感情がないまぜになって、言葉になりませんでした。
若者たちの一言一言から、18歳を境に施設から退所しないという現実や、そしてそれを乗り越えてでも前を向こうと意思を持ち続けるのがどれほど困難なものなのかというのが、自分の想像をはるかに超える大きなものだと伝わってきて、ただただ圧倒される一方でした。
そして、このサポートを地道に支え続け、長期間継続できるよう一生懸命仕組をまわしている大人たち。理念だけではなく、この仕組や継続への執拗なこだわりも含めて素晴らしい取り組みだと思います。
では、自分に何ができるのか?何がしたいのか? ダイレクトに受け取った様々な気持ちをまずは整理して、今年後半でちゃんと考えたいと思います。
—–
その日確かにもらった種火は、でも、すぐに自分がすぐにボランティアとして、実際にカナエールに参加することにまではつながりませんでした。
今から振り返ると、そもそもボランティア自体全く経験がなかった自分には、まだカナエールは舞台上で大人と子どもが「スピーチ」という作品を発表する、半ばキラキラした縁遠い場所としか感じ取れていなかったのです。
いわば、その日1日見たこと感じたことは、まだ自分の中では「ひとつの偶然」でしかなかったように思います。
偶然の出来事を必然にかえることは、ちょっとした変化に一歩踏み出すと決めなくてはいけません。(それは自分にとってはまた別のストーリーでしたので、日を改めて書きたいと思います)
ただ、まずは偶然というきっかけがなくては何もはじまりません。
このブログをここまで読んでいただいている(ありがとうございます)のも、皆さんにとっては、何かにつながるひとつの偶然かもしれません。
もしよかったら、説明会に足を運んでみませんか?
(レポート:実行委員 おじゃる)


12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
みなさまのご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【カナエール2017】あなたの夢はなんですか?

「あなたの夢は何ですか?」
そのような問いかけをされたら、何と答えますか?
答えはすぐ見つかるでしょうか?
小さい頃には、当たり前のように聞かれていた
「大きくなったら何になりたい?」
という質問は、大人になるにつれて、聞かれる機会が減り、
自分の夢について考えることも少なくなってしまったように思います。
カナエールスピーチコンテストでは、児童養護施設の子どもたちが、自分の夢についてスピーチします。
スピーチコンテストまでの120日間を通して、夢への想いは次第に強まっていきます。
そんな子どもたちをサポートするのが社会人ボランティアの役割です。
彼らの夢へのひたむきな想いと向き合い続ける120日間。
社会人ボランティアも、自分自身について、自分の夢について向き合い続ける120日間になるかもしれません。
120日後、もう一度、自分の問いかけてみてください。
「あなたの夢はなんですか?」
スピーチコンテストまで、最も近くで見守り続けた児童養護施設の職員の方からはこんなお手紙をいただきました。
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私はカナエールへ応募するために児童と書類を作成した際に、児童の夢を叶えたい熱い気持ちが伝わってきたと同時に、進学するためには多大な資金が必要であると思い知らされたことが印象に残っています。進学をするためにアルバイトで資金を貯めていたのですが、稼ぐことのできる金額は限られていますし、家族からの支援も難しい状況で、職員もどのようにお金を工面すればよいか頭を悩ませていたところでした。
カナエールの奨学金があれば、施設を退所した後の生活が楽になるかもしれない、そう思い応募を決めました。スピーチコンテストに出場することが条件で、日々の生活も忙しいのにさらに忙しくなってしまうのではないかと心配していましたが、当の本人たちに迷いはありませんでした。3月に行われた合宿では自分の生い立ちと向き合い、大変だったと本人たちも話していましたが、合宿を通して芯が強くなったように思います。実際に活動が始まってからも、学校やアルバイトなどとも上手く両立していました。弱音を吐くこともありましたが、休むことなくスピー
チコンテストに向けてひたむきに努力する姿に心を打たれました。児童たちがここまで頑張ることができたのはエンパワチームとスタッフの方々の支えがあったからだと思っております。
コンテストが近づくにつれ練習量も多くなる中、遅くまで原稿の確認やスピーチの発声練習に付き合うことは並大抵のことではないと思います。また、技術だけではなく、緊張や不安を解きほぐすような言葉を掛けて精神的なサポートもしてくださいました。施設内だけでは難しい事であったと思いますし、児童らも安心してコンテストに臨めたと思います。
そのような支えがあったからこそ、当日のコンテストは普段見ることのない児童の姿を見ることが出来ました。家族への想いや、夢への情熱など、職員には見せない児童らが抱えている思いを聞き、感動で涙が止まりませんでした。
児童らもこのカナエールの活動を通して大変貴重な体験をし、自身の成長につながったことかと思います。充実感や達成感を得ることができ、後輩たちにもぜひおすすめしたいと話しておりました。児童の成長を見ることができ、職員としてもとても嬉しい気持ちでいっぱいです。このような機会を作って下さり、支援してくださった各関係機関の方々にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
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夢と向き合う120日間、過ごしてみませんか?
カナエール2017では、社会人ボランティアを募集しています。
ぜひたくさんの方のご参加をお待ちしています。
12月 4日(日) 13:00-15:00 東京大手町
12月 7日(水) 19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【カナエール2017】非現実的な120日間

カナエールに参加してまず驚くのが、色々なバックグラウンドを持った社会人の方々が参加していることです。
会社員として民間企業に勤める人、主婦、フリーランス、弁護士、医者 等々…
様々な人が集うカナエールは、大人だけではなく、子供たちにも非現実的な毎日となるようです。
 
カナエールでジャーナリストになりたいと語ってくれた「けーたろー」からお手紙が届きました。


皆様いかがお過ごしでしょうか。僕はスピーチコンテストが終わってからは、受験勉強に追われる毎日です。
先日のスピーチコンテストに於きましては、多々至らぬ点もあったかと思いますが、最優秀賞を頂くことができました。
今日このような賞を頂くことができたのは、エンパワの方々はじめ、多くの方のご支援あってのことだと思っております。
本当にありがとうございました。
コンテストまでの120日間を振り返ってみますと、たくさんの思い出が蘇ってきます。
この120日間は本当に非現実的な毎日の連続でした。普段関わるはずのない多くの大人の方と接することができました。
エンパワの方々ブリッジフォースマイルの方、世界中を飛び回りご活躍されている記者の方々など。
様々な方と多くのお話しをすることができました。そんな中で僕は確実に成長することができました。重ねて御礼申し上げます。
最後になりますが、今回ステージに立つことのできなかった仲間たち、まだ夢を見つけられていない仲間たち。その一人ひとりの無念と苦悩を思わずにはいられません。
そんな仲間たちの為にも、僕たちの手で支援の輪を広げてゆきましょう。まだまだ未熟者ではありますが、今後ともよろしくお願い致します。


今年もボランティアメンバーとカナエルンジャーの素敵な出会いがありますように。
そんな出会いの第一歩である説明会を、来週から7回の予定で実施します。たくさんの方のご参加をお待ちしています。
12月 4日(日) 13:00-15:00 東京大手町
12月 7日(水) 19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
 
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【カナエール2017】元施設出身者から見たカナエールボランティア

カナエールボランティアのメンバーに、過去に児童養護施設・自立援助ホームで過ごした経験を持つメンバーがいます。
私も過去に児童福祉の養護を受けた者の一人です。
私が施設を退所後、大学に進学したのは今から9年前の2007年。
当時は、奨学金の選択肢が乏しく私が受けることができたのは「日本学生支援機構」の奨学金のみでした。
卒業して5年経った今でも毎月2万円の返済を続けています。
奨学金を受けていた学生時代もギリギリの生活。
卒業してから社会人2年目までは、頂けるお給料も高くはないため、苦しい生活が続きました。
生活も仕事も安定してきた頃、自分のような生い立ちの子どもたちに寄り添える支援ができないかと探し、
3年前に出会ったのが「カナエールボランティア」でした。


カナエール1年目の役割は、カナエルンジャーのスピーチ前に上映する動画制作担当のクリエイター。
ビデオカメラ越しに映る高校生カナエルンジャーが
「夢について」、「苦しい過去について」自分と向き合い、成長する姿を目の当たりにした時は、感動と達成感の気持ちでいっぱいになりました。
それと同時に、血のつながりもない、育った環境もまったく違うたくさんの大人たちが本気になって、カナエルンジャーと一緒に泣いたり笑ったりしている姿を見て、自分のことのように考えてくれる大人がそばにいて、応援してくれている光景を見て、私はとても羨ましい気持ちになりました。
 

なぜなら、施設を退所すると、苦しい時・悲しい時に話しを聞いてくれる親や頼れる親がいないため、一人で乗り越えなくてはいけないことが多いからです。
お金の支援も必要ですが、施設出身者や里親家庭の出身者には「信頼できる大人との継続的関係」が重要だと思います。
カナエールは奨学金の支援だけではなく、カナエルンジャーにとって大切な、人との繋がりも築けるプロジェクなので、私はカナエールボランティアを続けています。
私と一緒にカナエールボランティアをやりませんか。

(レポート:実行委員 ゆきまる)


12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
みなさまのご参加をお待ちしています
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【児童養護施設の若者の夢を応援する120日】 カナエール2017ボランティア募集中!

児童養護施設や里親家庭から進学する若者たちのスピーチコンテストを、来年も東京・横浜・福岡で開催します。
コンテストまでの120日間、若者たちとチームを組み、原稿作りやスピーチトレーニング、紹介映像作りなどを通して若者をサポートするボランティアを募集しています。
昨年のコンテストに出場した“むーみん”(コンテスト時、高校三年生)から届いた、応援者の方々へ向けたお手紙をご紹介します。
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自分はひとりじゃない
私は始め、カナエールに参加することに対して抵抗がありました。
自分の思っていることを人前で堂々と話したことが無かったし、話したいとも思っていなかったからです。スピーチの中でも述べましたが、私は児童養護施設にいることを人に話したくないのです。
ですが、かたくなにそう思っていたのはカナエールに参加する前までです。一緒に過ごしたルンジャー(他のコンテスト出場者)やエンパワ(社会人ボランティア)の方々は誰も私を「施設の子」扱いしなかったので、一緒にいるときとても楽でした。また私の様な年齢の人が沢山いて、いろんな考えが聞けました。そして自分はひとりじゃないのだと元気づけられました。
私の考えは本当にひねくれていて、聞きいれてくれた方々にどう思われるか不安もありました。でもそんな不安は無駄でした。コンテストが終わった後、たくさんの方にメッセージをもらい、その内容は全て私の背中を押してくれるものでした。あのメッセージカードは私がこれからの人生でつまずいた時、折れそうになった時、読み返したいと思います。本当にありがとうございます。

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カナエールを通して得たことは全て私の強みとなり、今後の人生にいかされていると感じています。自分が施設出身だろうが、気にせず私を私として見てくれる人は沢山いました。今まで、そんな人もいるということを知っていながらも怖くて向き合うことが出来ず、一人で勝手に下を向いていました。そんな中カナエールに参加し、今まで感じていた恐怖心が少しずつほどけていきました。カナエールに参加して皆様の前でスピーチすることが出来て本当に良かったです。ありがとうございます!

カナエールは希望格差のない社会を目指しています
親からの虐待や経済的事情により、家庭を離れて児童養護施設で暮らす子どもたちは18歳で施設を出てひとり立ちしなければなりません。彼らの大学等への進学率は23%(全国平均71%)※1、進学後の中退率は21%(全国平均の約3倍)※2。親を頼ることができない彼らは、学費と生活費を自分で用意しなければならず、進学できたとしても学業とアルバイトの両立に心身ともに疲れ切ってしまうのです。
※1 厚生労働省「社会的養護の現状について」2015年調べ
※2 NPO法人ブリッジフォースマイル2015年調べ
カナエールは彼らの抱える「希望格差」を解消するため、「資金=奨学金」と「意欲=応援」でサポートします。 スピーチコンテストのチケット代は奨学金に充てられます。 大勢の観客の前で自分の夢を語るという、大きなチャレンジを乗り越えること、そしてたくさんの応援する人たちの存在を感じることが、自己肯定感や夢への意欲を高めます。
2017年度のボランティアを募集しています
7年目を迎えるカナエール。来年もスピーチコンテストを6月に東京、7月に横浜、福岡で開催いたします。コンテストに出場する若者たちをサポートする社会人ボランティアを募集します。
説明会を下記日程で実施します。昨年度のボランティア経験者も参加しますので、活動についての感想なども直接ご質問いただけます。たくさんの方のご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【カナエール2017】カナエルンジャーの動画を作ってみませんか?

カナエールスピーチコンテストに来場された方はご存知と思いますが、カナエルンジャーがスピーチをする前に、カナエルンジャーの日常や、カナエルンジャーの夢に関係する仕事をしている人へのインタビュー、彼らの友人や施設職員の一言などの3分間の動画が流れます。
この動画は、3人のカナエールボランティアの内、クリエイターが作成を担当します。
 
私は、過去に2回、カナエールボランティアをやり、2回ともクリエイターを担当しました。この動画を作成したくて、カナエールボランティアに参加したとも言えます。
1回目の時、写真が趣味でしたが、何かボランティアがやりたいと言うことと、動画が作成できるという内容で、直ぐにカナエールボランティア説明会にエントリしました。当時は、児童養護について何も知りませんでしたが、説明会やカナエールのボランティア活動の中で現状を学ぶことができます。本格的な動画を作成するのも初めてでしたが、実行委員のクリエイターチームの手厚いサポートで、撮影の仕方や編集の仕方も教えてもらえます。
 
カナエールボランティアには、マネージャ、メンター、クリエイターの3つの役割がありますが、私はクリエイターが最もカナエルンジャーの成長の変化を見ることができると思います。
こんなきっかけでカナエールボランティアを始めるのも有りと思います。
 
(実行委員:ゆき)


12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
みなさまのご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【手紙】「カナエールなんて面倒臭そう」-ここから始まった夢への一歩-

「今を境に人生が変わるかもしれない」
そう感じたことはありますか?

受験で合格したとき、就職が決まったとき、結婚したとき、出産をしたときなど、色んな場面で「人生が変わる経験」を一度はしたことがあるのではないでしょうか。

カナエールを通して、「人生が変わる経験」をした女の子がいます。
今年の6月に東京でスピーチをしたカナエルンジャーです。
彼女の未来と感謝をつづった手紙が届きました。

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「カナエールなんて面倒臭そう」

そんな風に思っていた私は自分が半年後にはエンパワーの皆さんと抱き合い、
嬉し涙を流すことになるとは思ってもみませんでした。

今年4月、私は大学に進学しました。高校2年生で施設に入所したために貯金はほとんどできず、
支援をしてくれるような親族もいない私が4年制の大学へ進学するためには奨学金の受給が不可欠でした。

カナエールは、私にとって進学資金を集める手段の1つ、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。

大学生活が始まり、忙しい毎日の中でスピーチコンテストの準備なんて私にできるのか。
そう思いながら、事務局の方から送られた「カナエール2016」の日程表を眺めていました。

そんな私にエンジンがかかったのは3月に行われた合宿でのことでした。
膝の手術で1ヶ月ほど入院していたため、私が自分のエンパワーさんとゆっくりお話をしたのはその時が初めてでした。

グループワークやフラッグ創りをしながら、私はそれまでで一番、自分のことを話せました。
それは「この人たちなら大丈夫」という安心感を抱くことができたからです。

楽しかったこと、辛かったこと、自慢できること、そして今でも後悔していること、、、
今まで胸の内に秘めていたことを声に出すことで私は体が軽くなったように感じました。

コンテストまでの道のりは私1人で乗り越えなければいけないものではないことを実感した私は、
その日やっとカナエルンジャーとしての第一歩を踏み出しました。

学校、アルバイト、膝のリハビリ、そしてカナエール、これらの両立は大変で、同時にとても充実していました。
私が忙しくとも充実した日々を過ごすことができた大きな理由の一つは、やはりエンパワーさんの存在でした。

住んでいる場所の関係であまり頻繁には会えませんでしたが、
だからこそ私はその時間をより大切にでき、一日一日が濃密なものになりました。
エンパワーさんとの一時はとても楽しく、スピーチの原稿作りも苦に思ったことは一度もありませんでした。

私たちは生きていく中で様々な人と出会い、関係を築いていきます。
けれど例え同じ時間をすごしたとしても自分の考えや感情を相手に100%伝え、共有することはできません。

私はそのことをもどかしく、時に寂しく思いながらも、人間の多様性を生み出すといった意味での必然性も感じています。
コンテスト当日、ステージの上で私の破裂しそうな心臓の音を聞き、興奮がない混ぜになって体の底から震えと共にせり上がってくる感覚を私が共有できたのは自分自身だけでした。

でも私はたくさんの人たちが私を応援してくれているということに気がつくことができました。
右斜め後ろに座る3人のエンパワーさんの緊張と励ましが確かに伝わってきました。

私たちは自分の思いを100%相手に伝えられないからこそ、相手の気持ちを読み取ろうとし、自分自身を伝えるために最大限の努力ができるのだと思います。

私はあのステージで私の大切な人たちに、私を応援してくださる方々に私のことを伝えるために、ベストを尽くすことができました。それは決して私一人では成し得なかったことです。
スピーチを終えた私は、悔しさや悲しみからではない涙に少し戸惑いました。
達成感、喜びからくるいわゆる「嬉し泣き」をしたのは、初めてだったかもしれません。

カナエールのスピーチコンテストを経て、私は大きく成長しました。原稿作り、大勢の人の前でのスピーチ、これらの経験は必ず将来の糧になると思います。
けれど今、あの時のことを振り返りながら、あのステージ袖での緊張を懐かしむ自分もいます。

これから先、年月が経つにつれて、記憶は段々と薄れていきます。どんな人がいたか、自分が何をスピーチしたのか、そういう事柄は後からいくらでも確認できます。
でもその時自分が感じたことは一度忘れてしまうと中々戻ってこないものです。
エンパワーさんと過ごした時間、出会った人たちとの思い出、そしてコンテスト当日の緊張とその何倍もの達成感を私は自分の中に宝物として留めておきたい、そう思います。

応援者の皆様、私たちの夢を応援して下さり、本当にありがとうございます。

カナエール事務局の皆さん、エンパワーの皆さん、いつも私たちを見守ってくださっていること、とても嬉しくて安心できます。母と施設の職員さん以外にも信頼できる、私たちを大事に思ってくれる人はいるのだと知ることができました。

これからも自分たちの未来に向かって、私たちは歩き続けていきたいと思います。

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12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
みなさまのご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【カナエール2017】スピーチコンテストへご来場いただいた皆さまへ

カナエールは今年で7年目を迎えます。
120日間、コンテストのために自分と向き合ってきた彼らの勇姿。カナエルンジャーのスピーチを聞いて、皆さまは何を感じましたか?
どんな夢を描いてどういう心持ちでステージに立っているかを聞いて感銘を受けた方。
自分も何か、頑張ろうと思った方。
児童養護施設という存在を初めて知った方。
施設は知っていたけれどどういう子が生活しているかわからなかった方。
彼らが話した等身大の言葉には、それぞれの魂がこめられていました。
夢を叶えるためにすべきこと、仕事をするということ、自分に正直になること。チームで一緒に考え、多くの仲間に知恵を借り、自分の言葉で思いを伝えました。
時には応援してくれる人たちがいたからこそ、逃げたいと思ったことがあるかもしれません。十人十色、それぞれのストーリーがあります。
2017年も、スピーチコンテストに挑むカナエルンジャー達がいます。
彼らの120日間にどんなストーリーがあるのか興味を持った皆さまに提案があります。
【今年はスピーチコンテストに一緒に参加しませんか?】
初めて挑戦するには不安なことも多いでしょう。けれど、初めてだからこそ、真摯に向き合えることがあります。
世代の違うカナエルンジャーから教わることもたくさんあります。カナエールは、顔の見える支援を大切にしています。
2017年にカナエールボランティアへ参加していただくために、来月から東京と横浜にて説明会を行います。
12月 4日(日) 13:00-15:00 東京大手町
12月 7日(水) 19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
2017年が「参加する」年となること、皆さまと一緒にスピーチコンテストを創り上げられることを楽しみにしています。
説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【カナエール2017】職員の方からのお手紙

カナエールでは、スピーチコンテストに出場するために、1人の「若者」を、
3人の「大人」たちが120日間サポートします。
彼らにとって、1人の「大人」と出会うことは、1つ世界を広げることに繋がります。
これまでなかなか出会うことのできなかった「大人」たちとの関わりによって、
彼らはどんどん変わっていきます。
そんな彼らを間近に見ることのできる「大人」になりませんか?
カナエールでは、現在、ボランティアを募集しています。
120日後、彼らはあなたにとって、かけがえのない大切な存在になっているはずです!
今回は、2016年にスピーチコンテストに参加した若者が暮らす児童養護施設の職員の方から
いただいたお手紙を紹介します。
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「この子なら大丈夫!」という職員からの提案で、子どもにカナエールの話をしてみたものの、施設で初めての利用だったので不安から始まったカナエールの応募でした。しかしブリッジフォースマイルの皆様、エンパワメンバーの方々のサポートを感じられたことで子どもも職員もその不安は安心へと変わっていきました。カナエールの制度は金銭面だけでなく、顔が見える支援をして頂けることは子どもの大きな精神的な支えとなってくれます。
施設職員ではない社会人の方と触れ合うことで、子どもはとても成長しました。在園中は嫌なことがあるとそこから逃げていたり、職員と話をすることを避けていたりしていたあの子が大勢の人の前で自分の夢を語っていることが信じられませんでした。「この子、こんなこともできる子なんだ」と気づかせてくれたのもこのカナエールがあったからこそです。
行きたいと思って進学したはずの学校、やりたいと思って選んだ就職先。卒園した子を見ていると理由は様々ですが、途中で諦めてしまう卒園生がいることも現実にあります。カナエールの意欲と資金のサポートは自分に自信をもつこと、夢を持ち続け前に進むことを子どもに教えてくれました。
この度は、ご支援ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
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12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
たくさんの方のご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。