「今を境に人生が変わるかもしれない」
そう感じたことはありますか?
受験で合格したとき、就職が決まったとき、結婚したとき、出産をしたときなど、色んな場面で「人生が変わる経験」を一度はしたことがあるのではないでしょうか。
カナエールを通して、「人生が変わる経験」をした女の子がいます。
今年の6月に東京でスピーチをしたカナエルンジャーです。
彼女の未来と感謝をつづった手紙が届きました。
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「カナエールなんて面倒臭そう」
そんな風に思っていた私は自分が半年後にはエンパワーの皆さんと抱き合い、
嬉し涙を流すことになるとは思ってもみませんでした。
今年4月、私は大学に進学しました。高校2年生で施設に入所したために貯金はほとんどできず、
支援をしてくれるような親族もいない私が4年制の大学へ進学するためには奨学金の受給が不可欠でした。
カナエールは、私にとって進学資金を集める手段の1つ、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。
大学生活が始まり、忙しい毎日の中でスピーチコンテストの準備なんて私にできるのか。
そう思いながら、事務局の方から送られた「カナエール2016」の日程表を眺めていました。
そんな私にエンジンがかかったのは3月に行われた合宿でのことでした。
膝の手術で1ヶ月ほど入院していたため、私が自分のエンパワーさんとゆっくりお話をしたのはその時が初めてでした。
グループワークやフラッグ創りをしながら、私はそれまでで一番、自分のことを話せました。
それは「この人たちなら大丈夫」という安心感を抱くことができたからです。
楽しかったこと、辛かったこと、自慢できること、そして今でも後悔していること、、、
今まで胸の内に秘めていたことを声に出すことで私は体が軽くなったように感じました。
コンテストまでの道のりは私1人で乗り越えなければいけないものではないことを実感した私は、
その日やっとカナエルンジャーとしての第一歩を踏み出しました。
学校、アルバイト、膝のリハビリ、そしてカナエール、これらの両立は大変で、同時にとても充実していました。
私が忙しくとも充実した日々を過ごすことができた大きな理由の一つは、やはりエンパワーさんの存在でした。
住んでいる場所の関係であまり頻繁には会えませんでしたが、
だからこそ私はその時間をより大切にでき、一日一日が濃密なものになりました。
エンパワーさんとの一時はとても楽しく、スピーチの原稿作りも苦に思ったことは一度もありませんでした。
私たちは生きていく中で様々な人と出会い、関係を築いていきます。
けれど例え同じ時間をすごしたとしても自分の考えや感情を相手に100%伝え、共有することはできません。
私はそのことをもどかしく、時に寂しく思いながらも、人間の多様性を生み出すといった意味での必然性も感じています。
コンテスト当日、ステージの上で私の破裂しそうな心臓の音を聞き、興奮がない混ぜになって体の底から震えと共にせり上がってくる感覚を私が共有できたのは自分自身だけでした。
でも私はたくさんの人たちが私を応援してくれているということに気がつくことができました。
右斜め後ろに座る3人のエンパワーさんの緊張と励ましが確かに伝わってきました。
私たちは自分の思いを100%相手に伝えられないからこそ、相手の気持ちを読み取ろうとし、自分自身を伝えるために最大限の努力ができるのだと思います。
私はあのステージで私の大切な人たちに、私を応援してくださる方々に私のことを伝えるために、ベストを尽くすことができました。それは決して私一人では成し得なかったことです。
スピーチを終えた私は、悔しさや悲しみからではない涙に少し戸惑いました。
達成感、喜びからくるいわゆる「嬉し泣き」をしたのは、初めてだったかもしれません。
カナエールのスピーチコンテストを経て、私は大きく成長しました。原稿作り、大勢の人の前でのスピーチ、これらの経験は必ず将来の糧になると思います。
けれど今、あの時のことを振り返りながら、あのステージ袖での緊張を懐かしむ自分もいます。
これから先、年月が経つにつれて、記憶は段々と薄れていきます。どんな人がいたか、自分が何をスピーチしたのか、そういう事柄は後からいくらでも確認できます。
でもその時自分が感じたことは一度忘れてしまうと中々戻ってこないものです。
エンパワーさんと過ごした時間、出会った人たちとの思い出、そしてコンテスト当日の緊張とその何倍もの達成感を私は自分の中に宝物として留めておきたい、そう思います。
応援者の皆様、私たちの夢を応援して下さり、本当にありがとうございます。
カナエール事務局の皆さん、エンパワーの皆さん、いつも私たちを見守ってくださっていること、とても嬉しくて安心できます。母と施設の職員さん以外にも信頼できる、私たちを大事に思ってくれる人はいるのだと知ることができました。
これからも自分たちの未来に向かって、私たちは歩き続けていきたいと思います。
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12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
みなさまのご参加をお待ちしています。
12月4日(日) 13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水) 19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。