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【エンパワ日記(特別編)】「エンパワメント」ってなんだろう

カナエールの【エンパワ】といわれるボランティアですが、実は今までこの「エンパワ」という単語について、あまり考えたことがありませんでした。
「なぜ、カナエールのボランティアのことをエンパワと呼ぶのだろう」ということです。
まず、カナエールの主役はスピーチをして奨学金を獲得する【カナエルンジャー】
意味は「夢をかなえる」+「レンジャー(人)」という造語ですよね。わかりやすい。
いっぽう、エンパワの語源は【エンパワメント】だとのこと。
この「エンパワメント」って言葉は、ある程度市民権を得ていますし、たぶんカナエールの「エンパワ」=「エンパワメント」って図式は、具体的な内容はわからなくても言葉の持っている雰囲気で伝わると思います。
さて、カナエルンジャーとエンパワで構成される各チームの構成は、高校卒業したてかもうすぐ卒業の若者1人と、普通に会社員の人だったり、主婦だったり、自営業の人とか、いろんな社会人3人ということで、4人で1チームです。
雰囲気でいえば、
「校長と担任と先輩と、おとなしい生徒」だったり、
「お父さんとお母さんとお姉ちゃんと、やんちゃな妹」だったり、
「近所のおじちゃんとお姉さん二人と、甘えんぼうの弟」だったり、
といった感じで、4人の個性でいろんな組み合わせができます。
 
外側から見ると、
「経験豊富な大人たちが若者へいろいろ教えてあげるんだよね」
「スピーチのテクニックや言葉遣いを指導してあげるんでしょ」
「原稿の作成について、教えたり添削したりして、良いものに仕上げる人かな」
という、「教えてあげる」「指導する」「~してあげる」という感じで、大人が若者を引っ張っていくか、大人が「ガンバレー」って後押しするか、何か「スピーチに足りないものを、大人がうまく補完してあげる」みたいに思われるかもしれません。
 
そこで、いろいろ調べてたどり着いたのが、森田ゆりさんの著作「エンパワメントと人権」という本でした。
その中には、
「人間はみな、生まれながらにしてみずみずしい感性、個性、生命力、能力、美しさを持っている。
エンパワメントとは、私たち一人ひとりが誰でも、潜在的に持っているパワーや個性を、ふたたび生き生きと息吹かせることである。」
と書いてあり、これってまさにカナエールのエンパワのことだ!と、なんか妙に興奮したのを覚えています。
つまり、大人が何か特別なことを教えてあげるのではなく、カナエルンジャー自らが、もともと持っている感性や個性、能力や美しさといったものをどう息吹かせるかがエンパワの役割だということです。
カナエールのエンパワをやっていた時に、カナエルンジャーの成長をそばで感じていたつもりでしたが、実は成長というより、もともと彼ら・彼女ら持っているものが表に現れてきただけなんだ、とここでは妙に納得した感がありました。
そして、カナエルンジャーのみんなへ伝えたい。
120日間必死に模索して、悩んで、考えて、過去のいやな思いを掘り起こしたり、原稿のダメ出しをくらったり、時には忙しくて投げ出したくなったこともあると思います。
それでも過去と向き合って、自分の想いを言葉にして、今まで頑張ってきたみんなを尊敬しています。
そして、今まであなたと一緒に活動してきたエンパワは、本番当日もそばで見守ってくれています。

そんなエンパワを、大人を信じて、何より自分の力を信じて、最後の最後まで、あきらめないで、力を振り絞って、悔いのないように、最高の舞台で最高のスピーチをしてほしいです。
がんばれ、カナエルンジャー!
(実行委員:デイブ)

カナエール横浜へ行って: ルンジャーとエンパワの絆

「夢を語るだけじゃなくて、子どもたちが自立できるように大人がちゃんと道をつくってあげないと…子どもたちは幸せになれないんじゃない?」
少し蒸し暑くなってきた日曜日の昼。
どんより曇った空につられて、そんな言葉を思い出しながら、カナエール横浜の会場に向かいました。
毎年エンパワや実行委員として子どもたちのスピーチを聞いてきましたが、実は4年目にして、はじめて観客席から観る彼らの舞台。
去年までは、本番までに何回か子どもたちの練習段階のスピーチを聞く機会があり、スピーチが完成するまで言葉を加えては削って、言い換えて、というやりとりを自分の目で見てきました。
今年、横浜の6人のスピーチを聞くのは、本番がはじめて。
たった5分間のスピーチから「彼らがどんな120日間を過ごしたんだろう」と想像するのは、去年までと違った、とても不思議な感覚でした。

  • 何度もぶつかって、何度も何度も這い上がって

チームがどんな120日間を過ごしたのかは分からないのに、舞台の上からは不思議と「力強い絆」のような信頼感を感じました。
「子どもたちは、なぜ自分の過去を大人たちに話そうと思ったんだろう」
「子どもからこの辛い過去を聞かされたとき、大人たちは何を思ったんだろう」
あるスピーチでは、後ろで見守っているエンパワが思わず涙を流している姿がありました。

夢は語るだけでは、叶いません。
でも120日間、自分の過去と向き合い、「エンパワ」だけでなく「自分達の夢の仕事をしているたくさんの大人たち」から話を聞き、自分たちで悩んで、考え抜いて、自分で決断した夢。
それはきっとただの夢物語ではなく、憧れでもなく、子どもたちの力でしっかりした道を描いた夢だと、彼らのスピーチをきいて改めて思いました。

「何度もぶつかって、何度も何度も這い上がって」

私は、舞台に立っているたった5分間の子どもたちの姿、堂々と夢を語る子どもたちの姿しか知りません。
今は客席に向かって力強く話していても、カナエールが終わった日常に戻ってから、「困難」にぶつかることがあるかもしれない。もしかしたら「大丈夫」という言葉がただの強がりに変わるときがあるのかもしれない。

“I believe one day I know everything’s gonna be okay.”


そんなときでも、きっと120日間を共にした信頼できる大人たちと、一緒に乗り越えていってくれたらいいな。
舞台の上から感じた「信頼関係」があれば、どんな困難も、いつか「大丈夫」と、言える日が来るのではないかと思いました。
カナエールを初めて客席から観て、何年か後の彼らの姿をこれからも見守りたい。
直接悩みを聞くことができませんが、「数年後の彼らの将来の姿」を楽しみにしている観客が大勢いるということを感じました。
  
「応援者」というより、かれらのファンになったような気持ちになりながら、私の横浜カナエールは終わりました。
カナエールは今年で最後です。
カナエールのスピーチを聞いて、彼らの夢を応援することができないのは少し寂しいですが、残りの東京会場、福岡会場のスピーチも楽しみです。
(実行委員:えるも)

オワリはじまり

> もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい
> 親友と語り合ったかい 燃えるような恋をしたかい
> 一生忘れないような出来事に出会えたかい
> かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい
かりゆし58の名曲「オワリはじまり」です。
今年は節目の年というか、個人的に「オワリ」を感じることが多く、よくこの歌を思い出して聴いています。
その「オワリ」で大きいのは、3年前から関わっている【カナエール】のことです。

スピーチコンテストの終了もそうですが、個人的にはもう一つ「オワリ」があって、それはカナエールに初めて参加した時のカナエルンジャー「さゆりん」が学校を卒業した、ということです。
さゆりんは、スピーチコンテストで語った歯科衛生士の夢をかなえて卒業し、同時に奨学金支援は終了となって、月一回の面談プログラムも「オワリ」となりました。
コンテスト後の学校生活、勉強のこと、バイトのこと、家族のこと、いろんな話を聞き、彼女の成長をちょっとは見守ってあげられたかな。そんな感じでした。
 
卒業後まもなく、当時の2014横浜レッドチーム全員で集まり、卒業と資格試験合格のお祝いをしました。
久しぶりに集まって、お互いの近況やカナエール活動のことを懐かしく語り合い、また夏頃にみんなで会おうと約束してその日は解散しました。
振り返ってみると、「オワリ」というより新たな関係の「はじまり」を感じています。

そして、このカナエール夢スピーチコンテストが今年で最後という「オワリ」について。
2014年から参加した自分は、7年間の約半分くらい関わったことになります。
児童養護施設の事なんて、全く知らない状態で説明会に参加して、施設やそこにいる子どもたちの話に衝撃を受けた事は、今でもはっきり覚えています。
最初はエンパワ、映像制作のクリエイターとして参加し、チーム4人で舞台に立ち、スピーチコンテストは無事に終わりました。
その後はコンテストの実行委員として、カナエルンジャーとエンパワをサポートする立場で関わり続けてきました。
そのカナエールが終わると聞いて最初に思ったことは「こんなに良いプログラムを、なぜやめてしまうのだろう?」という事でした。
実際に自分と同じような声も聞くし、お金だけでなく継続的に意欲を支援する仕組み、児童養護施設のことはもちろん、子どもの貧困等、見えにくい社会の問題を伝える役割もおおいにあったと思います。
それでも今年で「オワリ」という形をとる理由を事務局に聞くと、それはカナエールが始まった7年前と現在の社会の劇的な環境変化にあるといいます。
返済不要の奨学金が行政を中心に増えはじめ、進学という選択肢は施設の子どものたちにとって選びやすくなってきています。
そういう社会の変化はカナエールが始まった2011年よりもはるかに進んだことを受け止め、カナエールはその役割を果たしたという判断のもと、今年でコンテスト最終回という選択をしたと説明をいただきました。カナエールは、NPOが果たせる役割を全うしたと評価し、「オワリ」を選択したのだと聞きました。
その説明には、カナエールの母体であるブリッジフォースマイルのポリシーを感じました。
NPOとして社会に問うべきことは何か。
儲かるから。楽しいから。カッコいいから。ではない。
儲からなくて、泥臭くて、不器用だけど、でもその問題に挑む姿勢。
あくなき理念の追及。
それを感じたから、だから自分はこの団体と、そこでがんばる人たちが好きなんだな。
応援したくなるんだな。改めてそう感じました。
 
そして、そのカナエールでは、コンテスト会場で直接贈られる観客のみなさんのあたたかい声援、大きな拍手、心からのメッセージが、カナエルンジャーたちにとって、何物にも代えがたい「意欲の支援」となり、卒業を目指す励みになります。
そう、カナエルンジャーたちにとっては、コンテストが「はじまり」なのです。
その「はじまり」の瞬間を、一人でも多くの方に見届けてもらいたい。
私自身が、3年前にカナエールに参加したとき、新たな「はじまり」を感じたように。
きっと、あなたにとっても新たな「はじまり」になるように。
「一生忘れないような出来事に出会える」ように。
「かけがえのない時間を胸に刻み込む」日になるように。
そして、カナエールの「オワリ」は新たな「はじまり」だということを信じて。
そんな、カナエールFinal、横浜・東京・福岡の会場で、一同心からお待ちしています。
(実行委員:デイブ)

3分間に全てを賭ける、クリエイター奮闘記

いよいよ横浜コンテストが目前に迫りました。
各チームはカナエルンジャーを中心に一丸となって、スピーチ原稿の完成後も、最高のスピーチを披露するためにラストスパートをかけているところです。
そんな中、各チームのクリエイターは、一足早く6月20日のカナエルンジャー紹介VTRの完パケ(=最終提出)に向け、力を振り絞ってきました。
もしかすると、今頃は肩の荷が下りて、少しだけホッとしている頃かもしれません。
僕も過去2年間はチームのクリエイターとしてエンパワを経験してきました。
紹介VTRの最終提出後は、やりきったという満足感の中に、もっとできたのではないかという悔しさが入り混じった、なんとも不思議な気持ちになったのを覚えています。
本番を目前に、紹介VTRの最終提出に向けたクリエイターの奮闘の様子を少し紹介したいと思います。
<カナエルンジャー紹介VTRとクリエイターの役割>
コンテスト本番では、カナエルンジャーがスピーチを始める前に、カナエルンジャーの紹介VTR(3分間)が上映されます。
各カナエルンジャーの魅力が凝縮された紹介VTRはどれも個性的で素敵な作品ばかり。
そんな紹介VTRを作成するのが、クリエイターの役割を担った各チームのエンパワメンバーです。

<時には徹夜も!?こだわりの編集>
チーム活動が佳境に入る6月は、VTRの提出に向け編集の追い込みをかける時期です。
各自が納得の行くレベルの作品にまるまで、何度も修正を加えています。
・映像に入れたいシーンがたくさんあって、3分に収まらない、なんとかいいとこどりしたい
・カナエルンジャーのスピーチが変わったので、それに合わせて映像の構成もかえたい
・よりインパクトのあるVTRにするため、エフェクトを工夫したい
・紹介VTRの字幕(テロップ)をより分かりやすくしたい
・カナエルンジャーからのリクエストに応えたい
などなど、こだわりのポイントを上げるとキリがありません。
クリエイターチームでは、制作中の作品に対するフィードバックも兼ねた勉強会を何度か実施してきましたが、メンバーの表情は真剣そのもの。
自身の感性とロジック、そして第三者の意見もフル活用して、作品の完成度を高めてきました。
中には平日仕事後に連日深夜まで編集をした、作品の提出(中間提出)直前は徹夜をしたといった話も聞きこえてきます。
<楽しいからこそ頑張れる!!>
でも決して大変なことだけではありません。大変な中にも楽しさや充実感を感じられたからこそ頑張れた、そう思っているクリエイターも多いのではないでしょうか。
カナエルンジャーのキラキラした表情を切り出せたときの満足感、
チームのメンバーに作成途中の作品を共有し、褒めてもらえたときの幸福感、
思い描いていたイメージ通りの編集ができたときの達成感
そして、撮影した動画を深夜に何度も見返しているうちに、担当するカナエルンジャーを独り占めにしているような気分になってくる優越感(ってこれヤバいですかね)
カナエルンジャーを応援したい、そんな気持ちを作品という形で表現できるのはクリエイターだけ。
だからこそ、自分とチームの想いを乗せて、最後の最後まで足掻き続けることができたのだと思います。
<クリエイター実行委員として携わってみて>
今年は、各チームのクリエイターをサポートする実行委員という立場でカナエールに携わりましたが、
各自の作品が進化していく様子は、見ていて本当に幸せな気持ちになりました。
各チームのクリエイターは、決して映像制作のプロではありません(稀に例外の方もいますが・・・)。
それどころか、(自分も含め)カナエールでクリエイターをやるまで、動画撮影や編集なんてやったことが無かったという人も多く、中にはパソコン自体ほとんど使ったことが無いというメンバーもいます。
それでも不思議とハズレの作品なんて1つもありません。

3月に初めて勉強会を実施した時は、皆一様に不安な気持ちを口にしていました。
5月に中間のお披露目をした際は、厳しいフィードバックに焦りや悔しさを感じた人もいると思います。
そして6月のこの時期は、刻一刻と変化するチームの状況と向き合いながら、作品に対する試行錯誤を繰り返す日々だったことでしょう。
そんな様々な出来事を経て完成した作品は、どうしてここまでできるんだろう、と思えるものばかりです。
その道のプロから見れば、技術的には拙いところも多々あるかと思います。
でも、技術とは関係なく、真摯にカナエルンジャーと向き合ってきたからこそ、カナエルンジャーの魅力とクリエイターの想いが詰まった、ここにしかない作品に仕上がっています。
スピーチコンテストの主役は勿論カナエルンジャーのスピーチですが、紹介VTRにも注目して頂けると嬉しいです。
きっと、会場で初めて会うはずのカナエルンジャーに親近感が湧き、より一層彼らのスピーチが際立って見えると思います。
カナエルンジャーのスピーチがどうか多くの人に届きますように。
そして、ほんの少しだけでいい、クリエイターの想いも伝わりますように。

皆さまと会場でお会いできることを楽しみにしています。
(実行委員:コンタ)

エンパワの皆さんのステキさに魅かれて(横浜会場 司会:船橋 由紀子)

初めまして!
今回の「カナエール2017夢スピーチコンテスト」横浜会場で、司会を務めます船橋と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
いよいよ、7月1日(土)の本番まであと数日に迫りました!
私はこれまで、残念ながら「スピーチコンテスト」というものにかかわった経験はありません。
ですが、知人を通じて、カナエールの取組みはかねてから知っており、「いつか観客としてスピーチを聞きに行きたい、そしてできれば運営の立場でもお手伝いしたいなぁ」と思っていました。
何故かというと、活動するボランティアスタッフの皆さんが素敵だったからです。
いやぁ、本当に、ボランティアスタッフの方々、素敵な方しかいません!
(もちろん、全員にお目にかかったことがあるわけではないですが ^^;;)
チーム3人で子どもにかかわる「エンパワ」と呼ばれるボランティアスタッフ始め、運営側として様々な形でかかわる「実行委員」の皆さん、本当にステキなんです。
そう感じるのはなぜだろう? 今回お手伝いするにあたり、改めてその理由を考えてみました。
その答えは、もしかすると、とても「ありきたり」かもしれませんが、カナエルンジャー(児童養護施設から進学を目指す若者)をサポートしながら、ボランティアの大人自らも自身と向き合い、もがきながら成長しよう! と思っているからだと思いました。
ボランティアの本気度って、場合によっては参加者本人に委ねられてしまうこともあったりすると思うんです。ですが、何人かのボランティアの方とお会いして感じたのは、そんなブレた熱量とは対極にあるのが、カナエールの皆さんなのではないか、と。

それは、他人にも自分にも真剣に向き合うからこそ生まれるエネルギーなんでしょう。
カナエルンジャーへの貢献、自分の変化成長、その両方を本気で追いかけながらスピーチコンテストを目指して活動をする・・これは、なかなかできることではないと思います。
スピーチ大会当日は、そんなボランティアの皆さんとともに、ステキな場作りを心がけ、カナエルンジャーを見守りサポートしていきます。

ぜひ会場に足をお運びくださいませ! お待ちしております。
(7/1横浜会場 司会:船橋 由紀子)

【エンパワ日記】「夢を応援するために何ができるか」

東京パープル マネージャーだんちょうです。
カナエール横浜まで、1週間、東京までは、2週間になりました。
事前発表会、スピーチトレーニング、原稿の修正、練習と、カナエルンジャーもラストスパート中です!
エンパワ日記も最後のバトンを受け取り、何を書こうか迷いましたが、カナエールのチーム活動を通じて得た、感情と思いを書きます。
カナエルンジャーのなす、メンターのkao、クリエイターのけーこたんと約100日間、チーム活動してきました。
なすは、子供っぽくて、でも本当に頭がよくて、頑張り屋さん。
シャイだけど、カナエールに参加して、夢を語るという大きなチャレンジをしました。
kaoは、しっかり者で、いつもなすのことを考えていて、原稿も一文ずつ整理してからフィードバックしてくれました。
けーこたんは、前向きで、初めての映像制作も慣れない中で時間をかけて作りあげました。
私は、昔から応援団をやっていて、児童養護施設で生活する子供たちに対して、自分が力になれることがあるかもしれない、という気持ちでカナエールに参加しました。
なすから、合宿で、やるからにはNo.1を取りたい、観客の心に残るいいスピーチをしたい、という気持ちを聞いたとき、本当に嬉しくて、心震えました。この子のために、この子の夢を支援したいと思いました。
「この子のために何かしてあげたい」
東京パープルとしての目標をフラッグに込め、No.1を取るために、大事にしたいことを決めました。
「Trust・Union・Effort・Smile」

でもチームそれぞれの思いが強すぎて、大事にしたいことも見失ってしまい、一度はチーム活動ができないという状況になったこともありました。
エンパワとして何ができるのか、それぞれが、自分に足りなかったことを振り返りました。
私も大人としてアドバイスをしないといけないという気持ちが強くなってしまい、チームのバランスを取って前に進めようとした結果、自分自身の熱量を失ってしまっていたと反省しました。
今後のチーム活動をどうして行きたいか、感情と思いを語り合い、リスタートをしました。

自分の感情や思いを語るのは怖いこと、勇気がいることだけど、その自発的な言葉や行動で人は動く。
児童養護施設で生活をしているから支援したいという理由だけでは、ここまで本気で応援したいと思えなかった。
「この子のために何かしてあげたい」
感情や思いを制限することなく、誰かのためになりたいと思えることは幸せなことだと思いました。
同時に、受け入れてもらえず、なすのためになってないのなら、自分が変わらないといけないとも教えてくれた。
過去の経験や肩書きではなく、大人として信頼して話をしてくれるか、会う度に、今日は力になれるだろうかと、ドキドキして、終わったら力になれたか反省する日々。夢を応援するには何ができるのか考える日々。
そんな中、「力を貸してください」と言われた時には涙が出そうでした。
チーム活動を通じて、人を応援するということがより深まったように思いました。
なす、kao、けーこたんありがとう。
なすが伝えたい、届けたい感情や思いを是非聞きに来てください。
フレーフレー、なす!
(東京パープル:だんちょう)

【エンパワ日記】感謝のキモチ

こんにちは!横浜レッドのマネージャー、もつこです。
横浜レッドのカナエルンジャー、こむぎ は夢をかなえるため、今年の4月から専門学校に通い始めた女の子。ニックネームの由来は、小麦粉を使った食べ物が大好きだから!!!もちろん、LINEのプロフィール写真は小麦粉のパッケージです。
メンターの めいりは、こむぎのお姉ちゃんのような存在。もつこを含めて「三姉妹みたい😊」と言われることも(嬉)
クリエイターの たられ は、穏やかで優しく、三人娘のような私たちを見守ってくれます。
カナエールにはたくさんのチームがあり、それぞれ個性があってチームの雰囲気も随分と違いますが、横浜レッドの雰囲気は一言で言うなら「ほのぼの」です。

ある日の原稿作成中の様子。こむぎの過去の話や当時の気持ちを聞き、みんなが真剣に考えて無言の時間が続きます。
突然、
こむぎ「はっ!!何かが降臨した!!こういった文章どうですか??」
全員 「!!! いいんじゃな~~~~~い???すごい!いいよそれ!」
(ひとしきり盛り上がった後、また黙々と原稿作成がつづく)

ふだんはワイワイにぎやかですが、時には意思の強い一面を見せてくれることも。
先日行われたスピーチトレーニングでは、フジテレビのアナウンサーを含めてたくさんの方々から様々なアドバイスをいただき、思うように整理しきれないもどかしさから「自分で原稿の内容に納得ができない、これを読むのは気が引ける」と目に涙を浮かべながら、再発表の直前まで納得がいくまで修正を繰り返していました。
優しく真面目で、家族思いなこむぎ。彼女がこれまでの人生で色々なことを経験し、その一つ一つに真摯に向き合って、正直な気持ちを注ぎ込んだスピーチは、私たちの心にストレートに訴えるものがあります。
こむぎは「スピーチを通して、ある人達に感謝の気持ちを伝えたい」という思いをもっています。その思いをコンテストで出し切るため、学校とアルバイトで休みのない日々を送りながらもカナエールの活動を頑張っています。私たちエンパワは「チームこむぎ」として、「こむぎが自分の思いを伝え、また、スピーチ作成に取り組む過程で自分自身と向き合い、これから先に、道に迷った時はここで考えたことを思い出して欲しい」という気持ちで、コンテストまでの残りの期間を全力で応援していきたいと思っています。
こむぎが伝えたい 感謝のキモチ、是非会場まで聞きに来てください。
(横浜レッド:もつこ)

夢はつづく、カナエールもつづく

私のカナエール初参加は2015年。カナエルンジャーのサポートボランティア(エンパワ)メンバーとして、ビデオ撮影・作成を担当するクリエイターを担当しました。
カナエルンジャーは、当時はまだ幼さが残る18歳。合宿の時には、他のカナエルンジャー達とブランコで楽しそうに遊んでいて、可愛いなぁと思いながらビデオ撮影していたのを覚えています。
コンテスト本番前は、緊張で昼ご飯ものどを通らなかった彼でしたが、スピーチ本番では前代未聞の「一発ギャグ」を見事に決め、それまでで最高の出来のスピーチを披露してくれました。

そんな彼も、もう20歳。夢をかなえてTV番組の制作スタッフになり、忙しい日々を送っているようです。
スピーチコンテスト終了後も、2年間、私たちは毎月1回の面談で顔を合わせてきました。
面談といっても固くるしいものではなく、お互いの近況報告です。「どんなカノジョがほしいか」なんて話で盛り上がったこともあれば、エンパワメンバーの転職話を聞いたり、みんなで一緒に夕飯を作って食べたり。
そうやって彼の顔を見て話を聞ける月1回の面談が、私はとても楽しみでした。

就職の悩みをぽつぽつと話してくれたこともありました。
TVの仕事はとてもハードです。コンテストでは、スピーチ作成にあたって、夢の職業についている方にインタビューをするのですが、その中でも、仕事のハードさについては何度も話に出ていました。
それでも、周囲の人とも相談しながら、ハードな職場であることは覚悟の上で、自分が一番やりたい仕事につくことを自分で決めて、飛び込んでいった彼。この2年で本当にたくましくなったなと思います。
卒業したのでもう月1回の面談はないけれど、これからは友人同士として(年齢はかなり離れていますが(笑))会うことができます。
先日は久しぶりにチーム全員で集まって、初めて一緒にお酒を飲みました。彼は楽しそうに仕事の話をしてくれました。そして最後は、なつかしそうにスピーチコンテストの時の話をしていました。
また夏ごろの再会を約したので、その時が楽しみです。
彼の職業人生は始まったばかり。だから彼のカナエールはまだまだ続いています。
そしてこうやってゆるやかにつながりながら、私たちは彼の夢を応援し続けていきます。
だから、私のカナエールもずっと続いていくのだと思うのです。
(実行委員:はるはる)

【エンパワ日記】子どもは村中みんなで育てるもの – It takes a village to raise a child.

“It Takes a Village(邦題:村中みんなで)”というヒラリー・クリントンの著作を読まれたことはありますか? 初版は1996年、タイトルは、アフリカの諺「子どもは村中みんなで育てるもの(It takes a village to raise a child.)」が由来だそうです。
この本の最後から2番目の章、”The Best Tool You Can Give a Child Is a Shovel(子どもにはシャベルが必要)”の最後にこういうくだりがあります。意訳かつ少し長文の抜粋になりますが、お許しください。
私たちのほとんどは、ネルソン・マンデラが経験したほどの厳しい試練に直面することはないでしょう。しかし、誰にも困難や危機、失敗や絶望は必ずやってきます。どんな状況下でも、自分の道を切り開いていくための「鉄の意思と必要なスキル」を磨き身につけることは、私たちすべての人間にとって生涯通じての課題です。そして、子ども達が同じようにそれを身につけられるように、私たち大人ができるだけのことをするということは、子どもたちと「村」に対する生涯における責任です。
(Hillary Rodham Clinton, It Takes a Village, Simon & Schuster, 1996.)
世の中の重要な課題は、簡単な答えは用意されていないのが常です。だからこそ、普段は私たちにとって本当に重要な課題を見て見ぬふりをしたり、直視できないのかもしれません。でも、だからこそ、「村中」のみんなで知恵を寄せ集めて考えたり、理屈抜きで一緒に行動に移してみたり、一人ひとりがそれぞれの役割において情熱や才能、野心を傾けることで、想像すらしていなかったことができたり、困難な課題が解決できたりするのもまた事実です。
地域社会、職場、国、世界、いろんな形や大きさの「村」があってしかるべきですが、今年のカナエールという「村」は、17人のカナエルンジャー、51人の社会人エンパワ、実行委員、事務局やトレーニングチームを含むエンパワのアドバイザー、講師としてワークショップ等様々な形でご支援をしてくださっている方々やその他多くのサポーターの方々で構成されています。
   
2月25日のオリエンテーションでの初顔合わせ以来、17人のカナエルンジャーは、「大人たちの責任」について改めて気づかせてくれています。3月の合宿、表現ワークショップや事前発表会でのカナエルンジャーのスピーチの練習。一言一言が胸に響き、何度も目頭が熱くなりました。それは、社会の、そして自分も含めた大人の不甲斐なさに悔しさを感じての涙でもありました。
子どもたちは、無償の愛を受ける権利があります。そして私たち大人は、助けを必要としている子どもに、それぞれの立場でそれぞれができる範囲で、手を差し伸べる責任があります。
人生において、息を飲むような景色や胸を打たれるほどの美しい花との出逢いは、往々にして大きな困難や、時には失敗や絶望を乗り越えた先にありますが、夢を抱く素晴らしさを再認識し、その夢や目標に向かいチームとして、カナエールの「村中みんなで」無償の愛で手を取り合って協働している約120日間は、私の人生の中でもかけがえのない時間になっています。カナエールの創設と運営に関わっていらっしゃった関係者の方々、様々な形でアドバイスをくださっている講師の方々、そして、夢に向かって生きる美しさを改めて気づかせてくれているカナエルンジャーに心から感謝をしています。
今年が最後のカナエール・スピーチコンテスト。ぜひ会場で、少しでも多くのみなさんとお目にかかれることを楽しみにしています。
子どもは村中みんなで育てるもの。It takes a village to raise a child.
(横浜ブルー:まーつぁん)

【エンパワ日記】だしきること、ひきだすこと

10代、20代、30代、ひとつ飛ばして50代、バラエティ豊かな年代で構成され、横浜ブラック。
カナエルンジャーは会計や監査の仕事につくことを目標にする、大学2年生の男の子、チュン。第一印象は「クールで淡々としている感じ」でし
メンーは、関西弁がチャームポイントのきくちゃん。クリエーーは、今回人生初の映像作成に挑戦するてんこ。
3月のカナエール合宿で立てチームの目標は「だしきる」こと。
面倒見がよく、しっかりもののチュンは、施設の生活の中で、自分の意見や思いを抑つつ、相手をおもんぱかって行動することが多かっといいます。(9年間、チュンを見守ってき施設の先生談)
「自分の気持ちにウソはつきくないから、自分の思いを綺麗な言葉で飾ることなく全部出し切りい」
チュンがスピーチコンテストにかける思いです。
そんなチュンの思いに応めに、私ちエンパワの目標は「ひきだす」こと!
120%の思いをコンテスト当日に届けることができるように、日々チーム活動に取り組んでいます。
合宿が終わっ後、
自分のことをここまで話しのは初めてかもしれない。話しくなかっわけではないけれど、特に聞かれることもなかっから、自分の生い立ちや、夢、ていることを誰かに話すこともなかっ。後悔しているのは、自分の話ばかりになってしまっこと。もっとみなさんのことももっと知りいです。」
と、チュンがメッセージをくれてうれしかっです。
7月1日コンテスト本番まで、7合目まできところでしょうか。
しっかり者でなんでも完璧にこなして、クールなイメージのチュンでしが、チーム活動を重ねる中で、段々と子どもっぽい表情も見せてくれるようになっと思います。
原稿推敲中の一幕。
「大学生活の目標は?」
「公認会計士の資格の勉強をして、サークル活動頑張って、いろんな人にあって・・・・・・(ボソボソボソ)」
「ん??最後の何???」
「彼女が欲しいです(笑)」
チュンは照れると、笑いながら歯の隙間から舌をちょろっと出します。
チュンが背伸びすることなく、着飾ることなく、自然体でいられる関係性を少しづつでも築けていけらいいと思っています。
思いを全て、「だしきる」めに!

今年で最後のカナエール。
みなさまにお越しいだけることを、一同心よりお待ちしております!
ちなみに、大学を卒業するまで見守りの体制は続きますので、コンテストが終わっら「おしまい」の関係ではありません。
せっかくカナエールの活動を通して出会っ4人。チュンの成長を、ずっと見守っていきいです。
(横浜ブラック:たえちゃん)