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【エンパワ日記】 夢の原点

チーム「横浜ブルー」のマネージャー“おじゃる”です。
前回3月に、少しずつ走り始めたチームについて書いてから(http://www.canayell.jp/yokohamablue/) 2ヶ月あまりが過ぎ、本番までいよいよあと2週間(ブログ公開時点であと6日)。フルマラソンでいうなら勝負どころ、35km過ぎまでやってきました。
気づけば、うららかな陽気にうとうとまどろむ季節から、少し動いただけでもじっとり汗ばむ季節へ。 チームもその空気の変化に呼応するかのように、何度も会って話をし、毎日のようにLINEでとりとめもないやりとりやスタンプの応酬を続けながら、だんだんと熱を帯びてきています。 時にスピーチ原稿のブラッシュアップの最中、言葉のやりとりが熱すぎることもありますが、それもこれも含め、すっかりチーム4人が日常生活で「いて当たり前」な存在になってきたような気がします。
でもここへ来て、緩やかな上り坂に、少し足が止まりつつあることも事実です。 それは「あなたの夢はどこから来たのですか?」という問いに対して。
横浜ブルーのカナエルンジャー「T2」。 料理人になるのが夢だと、オリエンテーションの2月には、熱く(時にはにかみながら)話していました。 その夢の原点ってなんだろう? 現時点で彼自身も私たちも何となくそこに強い思いがあることはわかっていながら、もどかしいかな、はっきりと言葉で説明できるものを今の時点で持ち合わせていません。 それはスピーチ本番でも、もしかしたら、夢が成就して料理人になっても、はっきり表現できないものなのかもしれません。
カナエールの活動の中では、時にエンパワから直接カナエルンジャーに問いかけてみたり、あるいは仕事人インタビューを通じて彼自身が大人に問いかけてみたり、様々な角度から「夢ってなんだろう?」をチームで考えてきました。
大人になり歳を重ねると、思い描いていたことのいくつかは、恐らくかなわないんだと思わされる経験に出くわします。 そしていつしか、そのことを「夢が現実に負けた」という一言でもって周囲や自分を納得させようとすることがあります。
仕事人インタビューで、その道のプロにお話を伺った際、そのうちの何人かが、インタビューの最後に「いやあ、この仕事を志した時の気持ちを思い出したよ、ありがとう」とコメントしてくれました。 そのなんとも言えない表情を見ながら、ホントは、夢って「現実に負ける」ものでも「あきらめる」ものでもなくて、ただ単に「見続けられるものかどうか」だけなんじゃないかと思いました。 そして、その道のプロが忘れていたというのは、走り続けてきた現実の中にずっと夢があるからではないかなと気づいたのです。
スピーチ本番の5分間では、夢への一直線な思いを、カナエルンジャーは一生懸命伝えようと頑張ると思います。 その短い時間で伝えようとする姿は、ともすると聞いている立場からは「特別なこと」に映るかもしれません。
でも、その夢は、日常生活でいろんなことを思い、時に悩み、笑い、泣き、という現実生活からの地続きで支えられているということ、だからこそ大きく根を張って強く強くキレイに咲かせられる夢だということ。私自身、そのことはT2とエンパワの二人(はたぼーとはるはる)と過ごしてきた中で感じたことでもありました。
何十時間と原稿に向き合って、溢れ出しそうな気持ちをひとつ残らず詰め込んでも、なお、語りきれない思いやこぼれ落ちる言葉があります。 そんな語られなかった言葉にも思いを馳せながら、スピーチコンテスト本番6/18(土)に、客席からカナエルンジャーの一言一言に耳を傾けてもらえたら、一緒に走ってきた身として、こんなに嬉しいことはありません。 もしかすると、カナエルンジャーにとっての「夢の原点」は、スピーチを終えてあなたからのあたたかい拍手をもらった瞬間になるのかもしれません。

はたぼー・T2・おじゃる

はたぼー・T2・おじゃる


You may say I’m a dreamer. But I’m not the only one.
(わたしのことを夢想家だと言うかもしれないね、でもわたし一人じゃないはず)

(横浜ブルーマネージャー:おじゃる)

毎日新聞Webサイトでカナエールが紹介されました!

毎日新聞Webサイトでカナエール夢スピーチコンテストをご紹介いただきました。
児童養護施設出身の若者が夢を語る チケット代は奨学金に
児童養護施設で暮らす若ものは18歳で施設を出て、自立して生きていかなくてはなりません。「カナエール」は児童養護施設を退所した後、専門学校や大学等へ進学する若ものを支援する奨学金支援プログラムです。児童養護施設を退所する若者の進学率は20%(全国平均75%)、進学後の中退率は30%(全国平均10%)。親や家族を頼れない中、アルバイトで学費や生活費を稼ぎながら、卒業まで仕事と勉強を両立することは難しく、施設からの進学の前例も少ないがゆえに、進学を選べない若者が多くいます。
カナエールは、夢や進学への思いを語るスピーチコンテストの出場を条件に、返済不要の奨学金を給付します。120日間、スピーチコンテストに向けて3人の社会人ボランティアとのチームで取り組むことで、進学してからの「意欲」と「資金」の両面をサポートします。2016年は東京・横浜・福岡の3会場でスピーチコンテストを開催します。
東京会場はお陰様で完売いたしました。横浜会場はまだチケットがございます。開催日迫っておりますので、お求めはお早めにどうぞ。
チケット代5,000円は出場者の奨学金に充てられます。ぜひお誘いあわせの上、会場へお越しください。客席に座るあなたの存在が、若者たちの夢を叶える力になります。
カナエール横浜 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
 

【エンパワ日記】「何かをしてあげたい。」を超えて、「一緒に何を目指すか。」

スピーチコンテストに出場する奨学生(カナエルンジャー)と彼らを支えるチームの活動をお伝えするエンパワ日記。今回はチーム東京グリーンのマネージャー“みっちー”からの報告です。
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■「何かをしてあげたい。」を超えて、「一緒に何を目指すか。」
カナエールに参加をして大切だと思うことは、
・カナエルンジャーとエンパワの4人チームで、同じ目標に向かって、進んでいくこと。
・お互いのことを理解し合い、思いやりを持って活動すること。
チーム活動を始めて、100日が過ぎました。
長いようで、短い、アッという間の120日間。いよいよ、スピーチ本番を向かえます。
カナエルンジャーと3人のエンパワが出会ってから、すぐに本音で話し合いが出来るとは限らず、
遠慮してしまうことや話しにくいことを最初から全てオープンにすることは難しい。
しかし、カナエールの活動を通して、同じ時間を重ねていくことで、ふとした瞬間に本音の笑顔、自然体の一面を見ることができ、少しずつ関係値を築くことができているのかなと感じる。
一方向のサポートではなく、何か一つでも、お互いにとって得るモノがあればと思って、共に成長できる、そんな4人での活動を続けています。
もちろん、知識や経験により、エンパワがカナエルンジャーにアドバイスをする場面が多くあります。
ですが、カナエルンジャーからも、夢に対する熱い想い、覚悟の強さ、さらには、面白いマンガやカッコいい音楽等の趣味の話、一人の人間の魅力として、たくさんのことを与えてもらっています。
■「4人で活動をする意義。最初のファンづくり。」
私がサポートをしているカナエルンジャーのトミーは、普段はクールだけど、実は話し好きで、いろいろな趣味を持っています。自分だけではなく、周りの人の「幸せ」を考えられる優しい男の子。
そして、エンパワメンバーのWaddyとゆばちゃん。
Waddyは、自分の意見を持ちながら、相手の意見もしっかりと尊重してくれる、ノリの良いまとめ役。
少しおっちょこちょいな部分があるけど、チームで一番明るく、熱い想いを持ったゆばちゃん。
それぞれに魅力があって、一緒にいることが楽しい。
相手に対して思いやりの心を持ち、理解し合うことで、お互いのファンになっていく。
そうすることで、4人の想いが共有され、トミーの目指す目標への道が創られていく。
マネージャーブログ用写真②
■「4人一緒に笑顔でスピーチの舞台に立つこと。」
スピーチの舞台は、夢に向かう、大きな一歩。
人生の、その瞬間に立ち会えることを私は本当に幸せだと感じています。
子どもたちは、5分間のスピーチに今までの人生を込めています。
会場に来て頂いた皆さんの一人でも多くの方に、子どもたちの想いを知ってもらいたい。
そして、その場で感じたこと、思ったことを帰り際でも、翌日の仕事場でも、率直に周りにいる人たちに伝えて欲しい。
そう広がっていくことで、
「スピーチコンテスト」という120日間の活動の枠を超えて、
将来にわたり、子どもたちの夢が、私たちの夢になり、また、私たちの夢が子どもたちの夢にもなり、
実現の後押しをしていく。
かけがいのない人生の中で出会った、カナエールの輪が広がっていくことを心から願っています。
ぜひ、会場にきてください。お待ちしています!
チケット好評発売中!
(チーム東京グリーン みっちー)

【応援メッセージ】夢を叶えたい彼らの思いに直接触れてみませんか。

カナエールスピーチコンテスト初年度の審査員長をつとめた
東北福祉大学 特任教授の草間吉夫さんから、応援メッセージをいただきました。


だれもが夢を叶えられることは、とても素晴らしい社会と言えます。
でも、それが叶わない青少年がこの国にはおります。社会的養護
で育つ子ども達です。
彼らの夢や思いを叶えることに関心がある方に、ぜひ聞いて頂きたい
イベントがあります。それがスピーチコンテストです。
横浜・東京・福岡で開催いたします。
夢を叶えたい彼らの思いに直接触れてみませんか。
夢を実現する思いとそれを支えたいを繋げるイベントが、夢スピーチコンテストです。
皆様のご来場をお待ち申し上げています。
皆様が踏み出した一歩が、彼らの確かな歩みの一歩に繋がります。

2016年6月1日  東北福祉大学 草間吉夫


チケット代は出場者の奨学金に充てられます。逆境を乗り越え未来に向かう、彼らの思いに、ぜひ会場で耳を傾けてください。客席に座るあなたの存在が、彼らの夢を叶える力になります。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
☆☆☆東京会場完売しました☆☆☆
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
http://eventon.jp/3305/

彼らの後に続いて@テレビ東京系列"NEWSアンサー"カナエール特集

2015/12/25、テレビ東京系列”NEWSアンサー”でカナエールが特集されました。
番組公式サイトで、アーカイブ映像が見られます。
【「貧困」「虐待」それでも… 未来をあきらめない!】
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/life/post_103531/
 


 
映像に出てくる若者は、過去のカナエール夢スピーチコンテストに出場して、自分の夢をたくさんの人の前で宣言した。
そして、現在もその夢に向かって努力している。学校の卒業まで、カナエールの奨学金の支給を受け、継続して活動を続けるエンパワの応援を受け、夢に近づいている。
彼ら先輩に続いて、今年も若者たちがカナエール夢スピーチコンテストにチャレンジしている。
彼らの夢を応援しに来てください。
 
【カナエール2016夢スピーチコンテスト チケット発売中!】
お陰様で東京は残席わずかとなりました! お求めは以下のサイトからお願いいたします。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
【完売間近!】東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
http://canayell2016t.peatix.com
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
http://eventon.jp/3305/

「今」を伝えるスピーチ -奈良橋陽子さん、小雪さんとのワークショップ

カナエルンジャーたちにとって、とても貴重な出会いがありました。
キャスティングディレクターで演出家の奈良橋陽子さんと、女優の小雪さんとの出会いです。
カナエール2016シルバースポンサーでもあるブルガリ ジャパン株式会社様の取り組み(※)の一環として、お二人をお招きして、「表現」についての特別ワークショップを実施していただきました。
※今もっとも輝く女性たちとその取り組みを讃えて支援する「BVLGARI AVRORA AWARDS(ブルガリ アウローラ アワード)」
<カナエルンジャーのスピーチ:1回目>
ワークショップは、参加した16名のカナエルンジャーの「夢」に関するスピーチから始まりました。
たたでさえ、人前でスピーチをするのは緊張するものですが、奈良橋さんと小雪さんを目の前にして、さらに緊張の面持ちのカナエルンジャーたち。
そんなカナエルンジャーたちのスピーチに対して、まず、お二人が口にされたのは、スピーチの内容に関する称賛と、彼らの「今」を受け入れて、肯定してくださる言葉。そして、的確で具体的なアドバイス。
お二人からの愛情あふれる言葉に、カナエルンジャーたちは緊張の表情から一気に笑顔に!その場の雰囲気もとても和やかになりました。
◆奈良橋さん
「多くの人にアイコンタクトをしながらスピーチをするといいですよ。そうすると聞いている人からエネルギーをもらえます」
「人にどう見られるか、どう判断されるかではなく、その職業をどんなに大事に思っているかを伝えることが夢の実現につながります」
◆小雪さん
「緊張すると話すのが早くなってしまいがちですが、その早さは仇になります。伝えたいポイントこそゆっくり話すといいですよ」
「大変でも、頑張ったことは人生の柱になります。頑張ったからこそ見えてくるものがあります。辛いと思った時は、最初にどうしてそれをやりたいと思ったのかを思い起こすと道が開けてきます」

一人ひとりに丁寧にアドバイスをしてくださる奈良橋さんと小雪さん

一人ひとりに丁寧にアドバイスをしてくださる奈良橋さんと小雪さん


 
<各チームでのブラッシュアップ>
奈良橋さん、小雪さんからのアドバイスを受け、2回目のスピーチに向けて、各チームでスピーチの内容を練り直します。お二人も床に座っているカナエルンジャーと同じ目線になるよう腰をおとして、熱心にアドバイスをしてくださいました。
カナエルンジャーのスピーチ:2回目>
奈良橋さん、小雪さんからのアドバイスを受けて、いよいよ2回目のスピーチです。
ブラッシュアップの時間は15分ほどだったにもかかわらず、1回目のスピーチと比べて驚くほどの変化がありました。表情が明るくなり、目線は原稿でなく、聞いている人とアイコンタクトができるようになりました。
声は大きく出るようになり、原稿をただ「読む」のではなく、自分たちの言葉で語っていました。
原稿を全く見ずにスピーチをしたカナエルンジャーもいました。
スピーチ中に感極まって涙を浮かべるカナエルンジャーもいました。
何よりも、どのスピーチも「伝えたい」という気持ちが前へ前へ出ていたのが印象的でした。
1回目と比べものにならないくらい堂々としたスピーチでした

1回目と比べものにならないくらい堂々としたスピーチでした


奈良橋さんと小雪さんも真剣に聞き入ってくださいました

奈良橋さんと小雪さんも真剣に聞き入ってくださいました



<奈良橋さんと小雪さんからのメッセージ>

最後にお二人からカナエルンジャーにメッセージをいただきました。
◆奈良橋さん
「人は一瞬一瞬を生きています。その瞬間に感じたことをそのまま表現してください。あなたたちのスピーチは素晴らしいです。自信を持って、たくさんの気持ちを伝えてください」
◆小雪さん
「本番は予想以上に緊張して、スピーチの内容を忘れてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、その時に思っていることを伝えてください。そのようなスピーチは観客に必ず伝わるし、感動を与えることができます。『今』を楽しんでください」
大切な言葉をたくさんいただきました

大切な言葉をたくさんいただきました


3時間という限られた時間でしたが、お二人から教わったのは、「表現」だけにとどまらない、「人としての在り方・生きる姿勢」とも言えるものでした。
スピーチコンテストまであと約1か月。
これからもカナエルンジャーたちのスピーチはどんどん進化していきます。
そんな彼らの「今」をぜひ見に来てください。

【エンパワ日記】知りたい・知る その先の向こうにあるもの

■子どもたちがおかれている現実
「あなたは大学へは行けない」
施設へ入所して、しょいが言われた言葉でした。
児童虐待と聞いて皆さんが思い浮かべる子どもは何歳くらいでしょうか?
15歳以上の子どもが毎年、何人保護されているか知っていますか?
最近では、小さい子に対する虐待関連の報道も増え、相談・通告件数が増えていることは皆さんもご存知のことと思います。
ですが、児童虐待と聞くと乳幼児や小学生くらいの子どもだけのことと思われている方も多いのではないでしょうか。
■横浜市の現状
横浜市では、平成26年度に4,507件の相談・通告がありました。
そのうち、1,072人が虐待の新規把握件数として対応されています。
2年連続の1,000人オーバーです。
そして、15歳以上の児童は112人、実に全体の10.4%でした。
■教諭という立場からみた「児童虐待」
私、横浜ブラックチームマネージャーのマヨネーズ☆は公立高校で教諭として働いています。
仕事柄、多くの高校生と出会ってきました。
その中には、ひとり親世帯、生活保護世帯、外国籍世帯、そして児童養護施設から通う生徒たちもいます。
教員というのは、子ども一人ひとりに向き合い、時に寄り添う仕事だと思っています。
ですが、もっとも見えにくく判断に迷うもののうちの一つが、高校生への虐待です。
高校生は小、中学生までと違い、地域から離れ学校へ通うため、地域は昼間の彼らの姿を知りません。
また高校が家庭や地域での様子を知ることも難しいです。
子どもの身体が成長しているため、抵抗力のない小さな子のように、まさか家庭で暴力を受けているとは一般的には考え難いです。
そしてアルバイトをしている者も少なくなく、一見すると普通の高校生なのです。
ですが、僅かなバイト代は親に取られ、十分な食事も与えられず、精神的に抵抗する気力を奪われ、
暴力を振るわれている高校生が、今もいるという事実をまずは知ってもらいたいです。
私の教職経験の中で辛く悔しかったのは「虐待に早く気づいてやれなかったこと」です。
いったい彼、彼女らはいつから人知れず虐待を受け、誰にも気づかれないまま一人苦しんでいたのでしょうか。それも高校生まで。


横浜ブラック02
前置きが長くなりましたが、今回、私たちが担当するカナエルンジャーは、「しょい」といいます。
しょいは高校生活も折り返そうかという時に保護され施設で暮らすことになりました。
しょいもまた、社会から見えにくいところで、一人で戦っていた子どもの一人なのです。
そして施設へ保護されて間もなく、しょいが言われた言葉が冒頭の「あなたは大学へは行けない」でした。
どうして、しょいは大学へ行けないのか。それは学力の問題ではありません。
保護されたのが遅く、大学進学のための学費がなかったのです。
それでも今、しょいは進学し大学生としての一歩を踏み出し始めたところです。
施設で暮らす子どもは、保護される年齢が高くて進学費用を貯めることができなかった子どもは、進学を諦めないといけないのでしょうか?
その答えをコンテスト会場で子どもたちのことを知り、皆さん一人ひとりに考え、出してもらえたらと思います。
■横浜ブラック 「しょい」という女の子
しょいは知的好奇心の塊です。
特に語学に力を入れ、海外の文化や価値観に興味関心をもっています。
大学へは往復5時間以上かけて、休まず通っています。もちろんアルバイトも頑張っています。
歌やダンス、食レポなど勉強以外にも様々なことに興味をもっている、キュートな大学生です。
カナエールプログラムでもある仕事人訪問では、グローバル企業で働く方、インドで起業している方、北京特派員経験のある通信社の方にヒアリングをしました。
業界、職業としての夢はまだありませんが、文字通り、しょいは無限の可能性を秘めています。
■私が「しょい」からもらったもの
・笑顔
・真剣な眼差し
・語学の重要性と努力
・海外文化や人の価値観に対する好奇心
・枠や固定観念によらない挑戦する心
・武器をもつということ
・底なしの知りたいという思い
・自分の枠をつくらない、可能性を広げていく姿勢
私は高校生のときに決めたことがあります。輝く大人になろうって。
私にとって輝く大人がどんなかというと、夢に向かってワクワクと努力し続けているひとでした。
ふと隣を見ると、小さくも私が追い求めていた輝く大人の一歩を踏み出した大学生がここにいます。
私は信じています、しょいが奨学金と時間を有効に使い、輝く大人となることを。
同時に私に輝くことを思い出させてくれたことにこの場を借りて感謝します。
横浜ブラック03      横浜ブラック01
■最後に…
私たちエンパワと呼ばれる大人たちは特別な活動をしているわけではありません。
ただ、彼ら、彼女らのことを知って、一緒に考え、行動していく中で、
はじめは彼ら、彼女らに足りなかった作られた関係性かもしれませんが、いつしかホンモノの関係性になっていきます。
これは教員と生徒とは少し違った、少し年上の兄姉のような、親戚のおじさんのような、地域の何でも話せるおせっかいおばさんのような。
少なくとも私は、素敵な子どもたちに出会え、同じ時間を過ごせることに感謝しています。
皆さんにも彼らのことを知ってもらい、輪が広がっていくことを願います。
カナエール 夢スピーチコンテスト 2016 チケット好評発売中です。
皆さんもぜひ、6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)でしょいのスピーチを聞いてください!

ニックネーム:マヨネーズ☆(チーム名:横浜ブラック)

【エンパワ日記】笑顔への旅路

ぎりちゃんは、理学療法士を目指しています。
小柄で、真面目で、努力家で、運動が大好きで、歌を歌うのが大好きで、ちょっと意地っ張り。
初めて会った時から、彼女の夢は、夢というより「目標」としてはっきりしていました。
 
写真1
 
3月下旬。
初めてのチーム活動として臨んだ一泊二日の合宿。
 
ルンジャーも、エンパワメンバーも、自分の内面に向き合い、少しずつ本音を吐き出して、
チームとして一つになっていく。
 
チーム東京ブルーは、不思議なほどコミュニケーションがスムーズで、
それはエンパワメンバーに対するぎりちゃんの気遣いに支えられていました。
 
彼女は、本当の自分を抑えているのではないか?
 
不安を感じたエンパワメンバー3人は、ぎりちゃんが安心して本音を話せるよう、

自分たちも自己開示し、休憩時間は一緒に身体を動かし、少しずつ心を近づけていきました。

 
 
合宿の山場、まとまっていない段階でのいきなりのラフスピーチ。
 
トップバッターを任されたぎりちゃんは、自分の想いを語りました。
 
口から出てきたのは、苦しかったこと、乗り越えてきたこと、そこから気づいたこと、
そして、これまで出会ってきたたくさんの人たちの名前と、感謝の言葉。
 
そこでわかりました。
 
彼女は、カナエールに参加するずっと前から、
自分に向き合い、いろんな人と触れ合いぶつかり合い、
自分が何者なのか、
どこに向かって歩いていくのか、
深く深く考えて生きてきたのだと。
 
写真2
 
ゴールデンウィーク最終日。
チーム4人で、公園を歩きました。
ぎりちゃんがいつも走っている湖のほとり。
無心で走っているその時間に、彼女はどれだけ多くのことを受け入れ、
その小柄な身体でどれだけ全力で生きてきたのだろう。
 
彼女が見てきた風景を一緒に歩くことができて、
彼女の心に少しだけ触れることができた気がしました。
 
写真3
 
スピーチコンテスト本番に向けて、チーム東京ブルーは今、
ぎりちゃんがこれまでお世話になった人たちに会いに行っています。
 
毎日の生活を見てくれた施設の職員さんたち。
バレーボールの楽しさを教えてくれた中学時代の顧問の先生。
一年間にわたってリハビリを担当してくれた理学療法士の先生たち。
前に進む勇気と覚悟を呼び起こしてくれた高校の先生。
 
カナエールの120日間は、
過去を追体験し、乗り越えてきた自分の気持ちを確かめる旅、なのかもしれません。
 
IMG_5618
 
その旅の終着点にして、新しい旅路のスタート地点。
6/25、四谷区民ホールの壇上で、彼女はどんな言葉を発するのだろう。
 
きっと、素晴らしいスピーチになるでしょう。
僕は、何も心配していません。
 
ただ一つだけ、心配なこと。
そのスピーチを、僕は最後まで顔を上げて聴いてあげることができないかもしれない。
 
願わくば、壇上から降りるまで、どれだけ心が揺さぶられても、
彼女がスピーチする姿を、この目に確かに焼き付けられますように。
(やまちゃん:東京ブルー)
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“ぎりちゃん”の出場する夢スピーチコンテスト(東京)は6月25日開催! お陰様で残席わずかとなりました。チケットは下記サイトからご購入いただけます。お急ぎください!
チケット代は出場者の奨学金に充てられます。逆境を乗り越え未来に向かう、彼らの思いに、ぜひ会場で耳を傾けてください。客席に座るあなたの存在が、彼らの夢を叶える力になります。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
【完売間近!】東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
http://canayell2016t.peatix.com
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
http://eventon.jp/3305/

児童養護施設から進学を目指す若者たちのスピーチコンテスト

虐待や経済的理由などにより、家族と離れて児童養護施設で暮らす子どもたちは全国に約30,000人。カナエールは施設から大学・専門学校等への進学を目指す若者たちのスピーチコンテストを毎年開催しています。6年目の今年も東京・横浜・福岡の3都市で開催します。
チケット代は出場者の奨学金に充てられます。逆境を乗り越え未来に向かう、彼らの思いに、ぜひ会場で耳を傾けてください。客席に座るあなたの存在が、彼らの夢を叶える力になります。
昨年のコンテストにご来場くださった方々の声をご紹介いたします。
現在大学3年生、何だか恥ずかしくなりました。
難しい言葉なんかより、想いがこもった、まっすぐな言葉がこんなにも心に突き刺さるのか、と実感しました。あれだけの大人数の前で自分の夢について堂々と話すことは、そんな簡単なことではないと思います。みんな自分の夢を語っているときの顔が生き生きとしていて、夢を持つことって素晴らしいのだなと改めて感じました。私は、現在大学3年生で、親に学校に通わせてもらっていますが、将来の夢は漠然としていることが、何だか恥ずかしくなりました。児童養護施設の現状をより多くの人に知ってもらいたいし、自分も伝えたいと思いました。今回、夢スピーチコンテストに来れて良かったです。ありがとうございました。
カナエール永久に続け!
児童養護施設の職員として、このカナエールのプログラムは本当にありがたく感謝致しております。毎年何人もの子ども達が進学する状況の中で、簡単に進学を勧められないのは、入学してからの費用的な大変さや、一人で立つことの難しさがあります。費用的な助けと、温かい励ましを下さり、背中を押し出してくださる事が、彼らにとって、どれだけ大きな助けであるかと感謝でいっぱいです。カナエールが永く続きますように!
こちらがすごく応援してもらっている気持ちになりました
カナエルンジャーのみんなを応援しにきたはずなのに、こちらがすごく応援してもらっている気持ちになりました。もちろん、応援したい想いもいっそう強くなりました。
カナエルンジャーの想い、夢、エンパワーの方々の支援、スタッフの方々の応援、本当に大きな愛を感じることができました。
とっても素敵なスピーチをありがとうございました。夢に向かって悔いのないように、一生懸命生きて行きましょう、お互い!!来年は仲間を誘って来ます。
よりいっそう頑張ろうと思いました!
皆が純粋に自分の夢を語る姿に心打たれました。今、未来に夢を持っている姿が素敵でした。私も、今夢を持って大学で勉強していますが、よりいっそう頑張ろうと思いました!
それぞれが目指す場所は違いますが、またこれまでの経験や境遇も違いますが、目標をもって進んでいる人がいるんだって思えば、それだけで力になります。今回、児童養護施設を出る子どもたちの厳しい現実も目のあたりにして、自分も何らかの形で関わっていきたいと思いました。
きっかけを頂きました
“夢” “家族”という言葉、感覚について考える良いきっかけとなりました。
広がれ!支援の和
もっとB4Sが有名になればいいな〜と思います。エンパワメンバー、ハードル高そうだけど、チャレンジシてみたいなと思っています。今日は、高校生の娘と来ました。同世代の子にアウトプットしてくれることも期待しています。
スピーチに引き込まれました。
初めて参加しました。カナエルンジャーの方々のスピーチに引き込まれました。辛い経験をしたからこそ他者に対して思いやりを持つ姿、支援されたからこそ、支援する側になる、なりたい。
より多くの人に聞いてほしいと思いました。
【カナエール2016夢スピーチコンテスト チケット発売中!】
お陰様で東京は残席わずかとなりました! お求めは以下のサイトからお願いいたします。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
【完売間近!】東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
http://canayell2016t.peatix.com
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
http://eventon.jp/3305/

【事前発表会@横浜】ピンク、ホワイト

今回のレポートでは、最後の2チーム、横浜ピンクと横浜ホワイトを紹介します。
 

  • 横浜ピンク ジェイ

叶えたい夢は、児童養護施設の職員。優しく語りかけるように話すジェイ。
「自分のこれまで歩んできた道で感じたたくさんのことをみんなに届けたい」
そんな気持ちが強く伝わってきました。

スピーチを見守るエンパワ

スピーチを見守るエンパワ


 

  • 横浜ホワイト あぐぅ

叶えたい夢は、カフェを開くこと。笑顔がとってもチャーミングなあぐぅ。
1人1人に語りかけるように話している姿が印象的でした。

スピーチを見守るエンパワ

スピーチを見守るエンパワ


 
全員のスピーチが終わった後、株式会社フジテレビジョンCSR推進部の木幡さんから、ただ話すのではなく、「伝わるように伝える」気持ちで話すのが大事であるとお話がありました。そして、恒例の滑舌と発声のレクチャーです。エンパワや実行委員も一緒になって、楽しく声を出していました。
この事前発表会で、カナエルンジャーたちは、カナエルンジャー同士、他チームのエンパワや実行委員から、スピーチの感想やアドバイスのフィードバックをたくさんもらいました。とても刺激になったと思います。
横浜でのスピーチコンテストまで、あと約3週間。
残り少ない時間で、どれだけの進化を見せてくれるのか楽しみです。
彼らの「伝えたいこと」、ぜひご自分の目で、耳で、感じに来てください!!

【レポート:実行委員 ゆき・なかちゅん】